2020年07月22日 15:10
全国保険医団体連合会は21日、新型コロナウイルス感染症の影響について、5月診療分の調査結果を公表した。医療機関の9割近くで外来患者が減少し、自由記述では「閉院・廃業を考えている」など苦境を訴える声が多数あった。感染症収束の先行きが見通せず、強い緊張と不安の中で診療を継続しているため、「医療機関の体力が、ギリギリまで落ち込んでいる」と結果をまとめた。【齋藤栄子】
調査は、会員医療機関を対象に6月18日から7月3日にかけて実施した。有効回答数は医科医療機関3,975件(病院214件、診療所3,761件)、歯科医療機関2,647件の計6,622件。4月診療分に対する緊急アンケートに続く第2弾となる。 調査結果では、医科の86.8%、歯科の89.1%で、5月診療分の外来患者が前年同月比で減少した。このうち、保険診療収入が減少したと回答した病院は81.3%、医科診療所は83.8%だった。 医科診療所を科別で見ると、小児科(288件)、耳鼻咽喉科(237件)の患者数、収入とも「30%以上減少との回答が他科に比べて高い」傾向で、保険診療収入は、耳鼻咽喉科の74.0%で「30%以上減少」、14.4%で「50%以上減少」だった。小児科では、68.4%が「30%以上減少」、23.2%が「50%以上減少」した。 自由記述では、「受診を控えたことにより、がんの進行、心不全の悪化などの症例が報告された」「緑内障で治療中の患者さんの失明や、突発性難聴を発症したが受診が遅れたために、聴力が改善しなかった例がある」「通院してリハビリを受けられなかったことで、特に高齢者の体力・運動機能・ADLの低下、認知機能の低下がみられる」「介護施設等の利用制限による精神面の不調につながりやすい」などがあった。 経営に関する自由記述では、患者減・収入減による苦境を訴える記述が多数寄せられ、「今の状況がこのまま続くと、もたない」「閉院・廃業を考えている」「毎日が疲れる」といった記述が多かった。
調査は、会員医療機関を対象に6月18日から7月3日にかけて実施した。有効回答数は医科医療機関3,975件(病院214件、診療所3,761件)、歯科医療機関2,647件の計6,622件。4月診療分に対する緊急アンケートに続く第2弾となる。 調査結果では、医科の86.8%、歯科の89.1%で、5月診療分の外来患者が前年同月比で減少した。このうち、保険診療収入が減少したと回答した病院は81.3%、医科診療所は83.8%だった。 医科診療所を科別で見ると、小児科(288件)、耳鼻咽喉科(237件)の患者数、収入とも「30%以上減少との回答が他科に比べて高い」傾向で、保険診療収入は、耳鼻咽喉科の74.0%で「30%以上減少」、14.4%で「50%以上減少」だった。小児科では、68.4%が「30%以上減少」、23.2%が「50%以上減少」した。 自由記述では、「受診を控えたことにより、がんの進行、心不全の悪化などの症例が報告された」「緑内障で治療中の患者さんの失明や、突発性難聴を発症したが受診が遅れたために、聴力が改善しなかった例がある」「通院してリハビリを受けられなかったことで、特に高齢者の体力・運動機能・ADLの低下、認知機能の低下がみられる」「介護施設等の利用制限による精神面の不調につながりやすい」などがあった。 経営に関する自由記述では、患者減・収入減による苦境を訴える記述が多数寄せられ、「今の状況がこのまま続くと、もたない」「閉院・廃業を考えている」「毎日が疲れる」といった記述が多かった。