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サワイジェネリック 安定供給への取り組み

沢井製薬では、「なによりも患者さんのために」を企業理念として掲げ、国民の生命・健康に不可欠である医薬品を安定供給し続ける体制の構築に取り組んでいます。
沢井製薬のジェネリック医薬品「サワイジェネリック」を医療機関へお届けするまでの工程を紹介しながら沢井製薬の安定供給への取り組みをご紹介します。

サワイジェネリック 安定供給の流れ

ジェネリック医薬品は薬価収載後5年間の供給継続や原材料(原薬を含めた)のマルチソース化を厚生労働省から要請されています。沢井製薬ではサワイジェネリックの製造工程(サプライチェーン)を把握・管理するとともに、様々な安定供給のための対策を行っています。
約800品目(2023年12月時点)のラインアップ力を支える安定供給への取り組みをご紹介します。

原薬調達※2→工場生産→物流センター→販売体制→医療機関・保険薬局→患者さん

※:工場生産に必要な原薬の調達に約4~5ヶ月要します

原薬調達

高品質な製剤開発のために世界中から原薬を選定

安定供給のためには、原薬の上流である粗原薬やさらにその上流の粗原薬の原料(中間体)が高品質で問題なく供給されることが重要です。沢井製薬では開発の早い時期から世界中のメーカーを調査し、自社品質基準にマッチングする高品質で、かつ安定的に供給できる原薬を選定しています。

原薬製造所の国別割合

原薬製造所の国別割合

(2023年11月時点)

高品質な原材料確保のための積極的な現地査察・安定供給のためのマルチソース化

原材料(出発物質、中間体、粗原薬、原薬、包装資材など)の安定確保のため、メーカーと連携を図るとともに、製造委託先、原材料購入先の業務遂行能力や安定供給能力及び品質管理能力について、評価・監査等を徹底し、その状況を継続的にモニタリングしています。また複数のメーカーから原材料を購入するマルチソース化にも取り組んでいます。
サワイジェネリックをより一層安心してご使用いただけるよう、原薬原産国の情報を公開しています。

高品質な原材料確保のための積極的な現地査察・安定供給のためのマルチソース化

工場生産

安定供給

沢井製薬が保有する全国6工場、グループ会社のトラストファーマテック(株)の3工場、委託先を含め生産錠数は約171億錠(2023年時点)となります。関東(千葉、茨城)、関西(兵庫2工場)、北陸(福井3工場)、九州(福岡2工場)の全国各地にある工場の生産能力は、年間約205億錠(2024年時点)になります。

高品質

医薬品医療機器等法(薬機法)やGMP(Good Manufacturing Practice)など品質に係る各種法律などで規定される品質を確保することに加え、沢井製薬独自の規格(サワイスペック)を設けています。サワイスペックは、承認規格よりもさらに厳しく設定しているものであり、一切妥協することなく、どこにも負けない品質を目指してサワイジェネリックを生産しています。

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生産能力・生産錠数(委託生産含む)の推移

品質管理

サワイジェネリックが工場生産されて物流センターへ輸送される際、GDP(Good Distribution Practice)ガイドラインに準拠した輸送を行っています。
各製品に適した保管条件を満たすことができる車両で、必要に応じて空調や温度モニタリングを行い、物流センターへ納品しています。

品質管理

物流センター

沢井製薬では供給能力の向上について、ロジスティクス能力も重要な要素と考え、迅速かつ積極的な投資を行う所存であり、2021年11月、2022年2月には2つの物流センターを開設しました。
北海道を含め、全国6ヶ所の物流センターで製品を保管しています。この物流センターは、安定供給のために非常に重要な役割を担っており、災害などの理由によりいずれかの物流センターが稼動停止になった場合でも他の物流センターから日本全国へ製品を届けることができます。
現在、全物流センターで取り扱う製品の2021年出荷実績は2010年と比較すると約3.1倍増(出荷ケース比)となっています。

事業拠点

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関東工場

関東工場

鹿島工場

鹿島工場

三田西工場

三田西工場

九州工場

九州工場

第二九州工場

第二九州工場

矢地第一工場

矢地第一工場

清間第一工場

清間第一工場

清間第二工場

清間第二工場

販売体制

全国の医療機関のニーズにあわせてサワイジェネリックをお届けできるよう、約100社の特約店・販売会社と連携しています。
特約店・販売会社に向けて、指定納期に配送する体制を確保しています。

サワイジェネリックの増産による供給能力向上の取り組み

他社製品の多品目にわたる供給停止の影響等により、生産計画を大きく上回るご注文をお預かりしており、沢井製薬では多くの製品で限定出荷をしてまいりました。
その中で、沢井製薬では限定出荷解除に向けて様々な取り組みを行い、2021年12月から限定出荷解除を進めています。短期で対応可能な増産として包装単位の集約化や夜間休日稼働等を行っております。
また、中期的な供給能力向上のために市場需要の高い品目を優先的に増産できる体制の構築に取り組んでおります。
さらに、長期的な生産能力増強のための設備投資としてトラストファーマテック(株)設立や第二九州工場に新固形剤棟建設、九州工場に新注射棟建設等を進めております。
設備投資については、検討開始から、設備の導入や人員確保・教育、厚生労働大臣への承認申請など対応には長期間必要になりますが、その分大きな生産能力増強に繋がります。

沢井製薬の限定出荷品目数と割合

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沢井製薬の限定出荷品目数と割合

これらの取り組みにより沢井製薬は限定出荷の解除を進めております。
また、製剤化技術「SAWAI HARMOTECH®」の活用により生産効率を向上させる等、安定供給に貢献する取り組みも進めています。

沢井製薬の製剤化技術 SAWAI HARMOTECH サワイ ハーモテック

SAWAI HARMOTECH 技術紹介

核粒子製造技術

QALCORE®カルコア

「湿式コーティング」を使った薬物含有粒子の製造技術です。従来数時間~数日かかるコーティング工程を30分~1時間で完了できるため、製造時間が短縮されて生産効率が上がり、安定供給に貢献しています。

少量の水だけでコーティング

薬物50%含有核粒子を製造する場合のコーティング時間 既存技術 数時間~数日 QALCORE 30分~1時間

特許第7482645号(海外特許の出願・登録あり)

短期的な取り組み:包装単位の集約化

1つの製品でウィークリー包装と100錠包装の両方を生産する場合、その部品の入れ替えや清掃に約5時間かかります。そこで包装単位を100錠包装に集約することにより、部品の入れ替え·清掃にかかる時間を短縮することが可能です。

包装単位の集約化イメージ

この包装単位の集約化の取り組みについて、2021年11月より、41成分76包装で100錠包装への集約化を実施した結果、作業時間ベースで+12%の生産性向上が認められました。

包装集約化を実施した41成分76包装の作業時間生産性

包装集約化を実施した41成分76包装の作業時間生産性

中期的な取り組み:優先品目の増産対応

沢井製薬では、市場において需要の高い製品を優先的に増産する対応に取り組んでいます。
市場で供給不⾜が継続している製品のうち、増産対応が可能な製品を選定して優先的に増産していく予定です。
一方、市場で需要の高い製品を増産するために、一部の製品は処方状況等を考慮して減産する予定です。

包装集約化を実施した41成分76包装の作業時間生産性

長期的な取り組み:工場新設や設備導入

包装集約化を実施した41成分76包装の作業時間生産性

(2024年8月改訂)