2020年07月09日 18:00
日本医師会(日医)は8日、新型コロナウイルス感染症の医師会病院への影響について、調査結果を公表した。新型コロナウイルス感染症入院患者の有無や対応病床の有無別に医業利益の前年同期比などを調べたもの。同感染症患者の入院を受け入れた病院の医業利益は対前年同月比で6,100万円悪化していた。【吉木ちひろ】
調査は、医師会が設置する病院や自治体などが開設して医師会が運営を受託する病院72病院を対象に実施し、58病院が回答した。回答病院のうち地域医療支援病院が35病院、第二種感染症指定医療機関が7病院あった。
このうち、新型コロナウイルス感染症入院患者が「あり」と回答していたのは14病院(24.1%)で、新型コロナウイルス感染症患者のための病床を確保していたのは28病院(48.3%)だった=表=。
日医の調査報告書から抜粋(以下同様)
調査報告書によると、2020年3-5月の診療報酬請求状況のうち、入院の総件数、総実日数、総点数の対前年同期比はそれぞれ13.9%減、10.7%減、7.9%減だった。入院外はそれぞれ17.7%減、17.9%減、13.0%減。
新型コロナウイルス感染症入院患者「あり」の病院は、「なし」の病院と比べて総件数、総実日数、総点数の落ち込みが大きく、「あり」の病院の入院総件数は対前年同期比で16.6%減少していた=グラフ=。
新型コロナウイルス感染症の入院患者「あり」の病院の20年3-5月の医業利益率は、前年同期比で15.0ポイント悪化して21.5%の赤字だった。1施設当たりの医業損失額(単月)は6,100万円悪化の9,300万円だった。一方、新型コロナウイルス感染症対応病床の有無による比較では、「あり」とした病院の1施設当たりの医業損失は4,600万円悪化していた。「なし」の病院の悪化額は1,000万円だった。
日医はこの結果から、「新型コロナウイルス感染症を疑う患者受入れのための救急・周産期・小児医療体制確保事業」による補助金について、「院内感染防止対策を講じ、入院患者を受け入れた場合には最大で5,000万円が支給されるが、ひと月の悪化分もカバーできない」と指摘している。
中川俊男会長は8日の定例記者会見で、収入面の影響だけでなく、病院の損益計算書やキャッシュフローなど国の調査を通じた実態把握が必要だと指摘。また、診療報酬による対応や、新型コロナウイルス感染症以外の患者の自己負担増加分を公費で賄う仕組みについて、検討が必要だと主張した。
調査は、医師会が設置する病院や自治体などが開設して医師会が運営を受託する病院72病院を対象に実施し、58病院が回答した。回答病院のうち地域医療支援病院が35病院、第二種感染症指定医療機関が7病院あった。
このうち、新型コロナウイルス感染症入院患者が「あり」と回答していたのは14病院(24.1%)で、新型コロナウイルス感染症患者のための病床を確保していたのは28病院(48.3%)だった=表=。
日医の調査報告書から抜粋(以下同様)
調査報告書によると、2020年3-5月の診療報酬請求状況のうち、入院の総件数、総実日数、総点数の対前年同期比はそれぞれ13.9%減、10.7%減、7.9%減だった。入院外はそれぞれ17.7%減、17.9%減、13.0%減。
新型コロナウイルス感染症入院患者「あり」の病院は、「なし」の病院と比べて総件数、総実日数、総点数の落ち込みが大きく、「あり」の病院の入院総件数は対前年同期比で16.6%減少していた=グラフ=。
新型コロナウイルス感染症の入院患者「あり」の病院の20年3-5月の医業利益率は、前年同期比で15.0ポイント悪化して21.5%の赤字だった。1施設当たりの医業損失額(単月)は6,100万円悪化の9,300万円だった。一方、新型コロナウイルス感染症対応病床の有無による比較では、「あり」とした病院の1施設当たりの医業損失は4,600万円悪化していた。「なし」の病院の悪化額は1,000万円だった。
日医はこの結果から、「新型コロナウイルス感染症を疑う患者受入れのための救急・周産期・小児医療体制確保事業」による補助金について、「院内感染防止対策を講じ、入院患者を受け入れた場合には最大で5,000万円が支給されるが、ひと月の悪化分もカバーできない」と指摘している。
中川俊男会長は8日の定例記者会見で、収入面の影響だけでなく、病院の損益計算書やキャッシュフローなど国の調査を通じた実態把握が必要だと指摘。また、診療報酬による対応や、新型コロナウイルス感染症以外の患者の自己負担増加分を公費で賄う仕組みについて、検討が必要だと主張した。