閉じる

医療・介護ニュース

緊急時に備え高齢者施設の応援体制構築を-感染者発生事例を踏まえて、厚労省が事務連絡

2020年07月01日 19:20

印刷

 厚生労働省は6月30日、高齢者施設での感染者発生事例などを踏まえ、人材確保や感染者発生時の対応についての事務連絡を、都道府県などに出した。緊急時の人材確保策について、平時より講じておくよう都道府県に求めている。【齋藤栄子】

 高齢者施設において感染者等が発生した場合、入院や濃厚接触による自宅待機などで、職員の不足が生じたケースがある。この場合に、都道府県を通じた応援職員の派遣や関係団体、近隣施設からの応援等により対応が行われた。 これを受けて、2020年度第2次補正予算に計上した「緊急時の応援に係るコーディネート機能の確保等に必要な費用」も活用し、介護保険施設等の関係団体と連携・調整し、緊急時に備えた応援体制を構築するとともに、感染者等が発生した場合の人材確保策を平時より講じるよう、都道府県に求めている。
 事務連絡では、応援可能な職員のリストアップを行うなど、サービス提供者を確保・派遣するスキームを構築している都道府県の例を、別紙「都道府県における取組について」にまとめ、「積極的に活用すること」としている。 また、感染者発生時等の対応について、感染拡大防止のため、個室管理や生活空間等の区分け等を早期に行うことが有効だが、専門的知識を踏まえた運営やマネジメントを施設単独で行うのは困難であることから、厚労省へのクラスター対策班の派遣要請も含めて、速やかに感染管理認定看護師等の派遣、DMAT 等による搬送調整等の活用を検討し、施設内の感染拡大防止やマネジメント対策に努めることを、都道府県に求めている。 事務連絡では、「感染者等の退院患者の施設での受入」についても、▽退院基準を満たして退院した者について、感染症の疑いがあるとして入所を断ることは「受入を拒否する正当な理由」には該当しない▽当該退院者の病状等その他の理由により適切なサービスを提供することが困難な場合は、個別に調整を行うこと-などとした。

出典:医療介護CBニュース