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医療・介護ニュース

糖尿病治療薬によるダイエット謳う医療機関などに警鐘-日本医師会、経口薬の承認前に

2020年06月17日 19:20

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 日本医師会(日医)は17日の定例記者会見で、一部の美容クリニックなどが「GLP-1ダイエット」などと広告して糖尿病治療薬を用いた自由診療を行っていることに対して、強い懸念を示した。経口のGLP-1受容体作動薬の国内承認が控えていることを踏まえ、警鐘を鳴らしたもの。【吉木ちひろ】

 日医の今村聡副会長は、糖尿病治療薬の一部が個人輸入や美容クリニックなどによって「やせ薬」として使用されている実態について、「このような行為を禁止すべき」と述べた。その上で、特にGLP-1受容体作動薬は、添付文書で妊娠の可能性がある女性への投与が禁止されていることや、低血糖、膵炎や腸閉塞などの重大な副作用のリスクが示されていることを指摘した。

 また、卸などの納入業者の存在にも言及し、流通業界における課題を併せて指摘した。厚生労働省に対して医薬品の適正な流通確保を改めて求めるほか、医療広告ガイドラインの規定から外れたインターネット上の広告表記などについても、関係部局へ取り締まりを強化するよう働き掛けていく考え。

出典:医療介護CBニュース