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医療・介護ニュース

20日から薬物乱用防止キャンペーン実施-厚労省、コロナ影響で地域の実情に配慮も

2020年06月12日 16:35

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 厚生労働省は12日、20日から7月19日までの1カ月間、薬物乱用防止キャンペーン(同省、都道府県など主催、日本医師会、日本薬剤師会など後援)を実施すると発表した。新型コロナウイルスの影響により、地域の実情に配慮した上で行うとしている。【新井哉】

 厚労省が公表した実施要綱では、覚醒剤事犯の検挙人員は依然として1万人を超え、密輸量の増加に伴う覚醒剤押収量が3年連続で1トンを超えたことを説明。2019年6月に一度に覚醒剤が約1トンも押収される事件が発生していることなどに触れ、「多くの乱用者の存在が推測される状況にある」としている。

 大麻事犯に関しては、「検挙人員の半数以上を 30 歳未満の若年層が占め、若年層に限っては覚醒剤より大麻の検挙人数が上回っていることからも、若年層における大麻乱用の広がりが懸念されている」と説明。「国内における薬物乱用防止活動において、官民一体となり、国民一人一人の薬物乱用問題に関する認識を高める」などとしている。

 地域団体キャンペーンについては、原則、保健所単位などで実施し、ポスターの掲示や一声運動などを行う。また、「教育委員会の協力を得て、児童・生徒に対し、薬物乱用防止の指導と本運動への参加を呼び掛ける」としている。

 薬物依存症を巡っては、厚労省が薬物依存症の対策の全国的な拠点機関として、国立病院機構久里浜医療センターを指定している。同センターは国立精神・神経医療研究センターと連携し、依存症対策を推進するための研修や依存症に関する情報収集などを実施している。

出典:医療介護CBニュース