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医療・介護ニュース

診療所の外来、3月時点で1割減-電話等再診は280%増、日医調査

2020年05月20日 20:27

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 日本医師会(日医)は20日、新型コロナウイルスの感染拡大が医療機関の経営に与えた影響について、調査結果を公表した。2020年3月の診療所の入院外総件数・総日数・総点数はそれぞれ対前年比で10.9%、10.7%、9.4%減少した。電話等再診については、対前年比で280.4%増となった。【吉木ちひろ】

 調査は、日医が3月27日に都道府県医師会に依頼した。今回は第1弾の調査として、3月診療分のレセプトを対象に分析している。全国の病院125施設、診療所468施設から回答を得た。

 それによると、診療所の88.0%が 20年3月時点における診療報酬収入の対前年比でマイナスとなり、総点数の減少幅が30%以上だった施設は7.5%だった。

 病院については総件数6.8%減、総日数6.6%減で、総点数は単価の上昇によって3.6%増だった。

 初診料算定回数の対前年比は、病院で20.3%減、診療所で29.0%減だった。再診料または外来診療料の算定回数は、病院で5.5%、診療所で 9.1%減った。電話等再診については病院が2703.6%(全体で140回から3,925回へ増)、診療所が280.4%(全体で881回から3,351回へ増)増え、さらに診療所のうち内科に限定すると365.7%増えた。

 医療機関経営への手当ては、診療報酬上の対応も実施されたところだが、日医の松本吉郎常任理事は、予防接種や検診などの保険外の収入減少幅も相当に大きいとの認識を示した。その上で、新型コロナウイルスの感染拡大が医療機関へ与えた影響について、「結果がどのように分析できるか非常に難しい」と懸念を示した。

 日医としては4月分の医療経営状況に関する調査もすでに実施しており、6月に結果の公表を予定している。

出典:医療介護CBニュース