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医療・介護ニュース

医療機関への経営支援を改めて要請、日医-第二次補正予算案の編成に向けて10兆円規模

2020年05月14日 20:35

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 日本医師会(日医)の横倉義武会長は13日の定例記者会見で、医療機関の経営状況の窮状を訴え、さらなる経営支援を求める姿勢を示した。第二次補正予算案の編成に向けて10兆円規模の手当てを行政や与党に対して働き掛けている。【吉木ちひろ】

 横倉会長は、医療機関の経営状況に関して、「4月以降外来、入院とも大幅に患者数が減少している」と述べた。

 具体的な事例として、福岡県医師会からは、県内診療所の診療報酬点数が最大で約3割減少しているとの報告を受けたという。また、全国医学部長病院長会議は、2020年度末の各大学病院の損失が約5000億円に上ると推計している。さらに、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている病院については、患者一人当たり200万-400万円の補助が必要との試算もあるという。

 横倉会長は会見で、「このような状況が続くと、6月以降の医療機関経営に深刻な影響が出ると危惧しているところ」と懸念を示した。その上で、第二次補正予算案の編成に向けて自民党の「国民医療を守る議員の会」などに対して、10兆円規模の医療への支援を求めていることを説明した。具体的な内容としては、感染症患者を受け入れている病院に対する支援、感染症患者以外の患者の診療に当たる医療機関を確保するための支援、軽症患者を受け入れる宿泊施設の確保、PCR検査センターの拡充などを挙げた。

 同日、開催された中央社会保険医療協議会・総会では、松本吉郎常任理事ら診療側の委員が医療機関への財政支援を求めていた。松本常任理事は会見で、厚生労働省保険局の医療課長も「今後も実態を把握した上で必要な対応を検討したい」と応じたことに触れ、診療報酬と交付金とを組み合わせた支援を継続して求める考えを示した。

出典:医療介護CBニュース