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医療・介護ニュース

循環器病治療と仕事両立支援、10事業者を選定へ-厚労省、モデル事業実施法人を公募

2020年05月13日 18:45

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 厚生労働省は12日、循環器病の患者に対する治療と仕事の両立支援モデル事業実施法人の公募を始めた。循環器病の診療を担う施設で患者の治療と仕事の両立支援の推進を図ることが目的で、国が財政的な支援を行う。【新井哉】

 脳卒中や心血管疾患といった循環器病は、発症後の身体機能の低下や、再発、増悪・寛解を繰り返すといった疾患特性がある。脳卒中では、個人によって症状や臨床経過、予後などが大きく異なり、後遺症の性質もさまざまであるため、脳卒中における治療と仕事の両立支援は、急性期から慢性期を通じ、個々の状態に応じたきめ細かな対応が必要となる。

 その取り組みに関して、厚労省は「未だ十分ではない」と説明。循環器病の患者自身や就労支援に携わる人が、患者の置かれた事情を総合的に把握するため、「治療と仕事両立プラン」に相当する計画を策定し、循環器病の診療を担う施設で両立支援を進めていく必要性を挙げている。

 今回の事業実施法人の公募で、厚労省は応募資格を示しており、例えば脳卒中では、▽脳卒中の急性期もしくは回復期の入院診療を提供している医療機関で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の全疾患を診療の対象としていること▽自施設で就労に関わる相談支援体制が確保され、相談支援の実績が複数件あること▽多職種で構成される脳卒中専門チームが診療する体制が確保されていること-などの要件を満たす必要がある。

 事業内容に関しては、「両立支援コーディネーター」の研修を受講した相談支援員を循環器病に対する両立支援の担当として配置し、個人ごとの状況に応じて、治療と仕事の両立に係る計画を立て、就労支援を行うことなどを求めている。実施期間は2021年3月31日までで、「補助事業者数は、脳卒中及び心血管疾患の合計で10事業者の予定である」などと説明している。応募書類などの提出期限は29日午後5時まで。

出典:医療介護CBニュース