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医療・介護ニュース

北海道地震の経験踏まえ「災害に強い病院」整備-岩見沢市立総合病院が新病院建設基本構想を公表

2020年04月30日 09:00

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 岩見沢市立総合病院(北海道岩見沢市)はこのほど、新病院建設基本構想を公表した。北海道胆振東部地震の経験を踏まえ、十分な電力を賄う自家発電装置を設置するなど「災害に強い病院設備」を整備する。精神医療についても、近隣の精神科医療機関や福祉施設との連携を強化し、長期入院患者の地域移行や早期退院・社会復帰を促進する方針だ。【新井哉】

 同病院は1927年の開設以来、南空知医療圏における地域センター病院として、高度医療や救急医療、小児・周産期医療などを担ってきた。しかし、本館は建設から36年、本館診療管理棟も35年が経過し、建物・設備の老朽化に加え、サービス機能の低下、駐車スペースの不足などさまざまな課題を抱えているという。

 基本構想では、新病院のコンセプトについて、質の高い急性期医療の提供を維持・強化するとともに、南空知医療圏住民の生活的価値(QOL)を実現する地域包括ケアの拠点ともなる病院を目指すことを掲げている。

 「新病院が目指す病院像」に関しては、▽急性期医療・救急医療提供体制の充実▽地域医療連携と回復期機能の充実▽がん治療体制、透析療法、精神医療の提供▽災害拠点病院の役割▽研修環境の提供▽チーム医療の推進-などを挙げている。

 例えば、精神医療の提供については、精神科救急医療や精神科デイケアの機能を担うとともに、身体合併症を有する精神疾患患者を診療できる体制を引き続き維持する。災害拠点病院の役割についても、災害派遣医療チーム(DMAT)を含めた災害医療体制の充実を図る。

出典:医療介護CBニュース