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医療・介護ニュース

コロナ陽性者の受け入れ病床の増加を要望、全老健-入所前のPCR検査実施も

2020年04月28日 21:10

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 全国老人保健施設協会(全老健)の平川博之副会長は28日の記者会見で、複数の介護老人保健施設(老健)が新型コロナウイルス感染症の陽性と判定された入所者を継続してケアせざるを得ず、陽性者の死亡事例も生じているとし、介護の現場を守るために病院での陽性者の受け入れ病床を増やす必要性を訴えた。また、老健に感染者がいれば、クラスター(感染者集団)が発生する恐れがあることから、入所前に病院などでPCR検査を実施する仕組みを整備すべきだとの考えも示した。【松村秀士】

 平川副会長は、感染の拡大による「医療崩壊」が起きた地域で、介護施設の入所者が陽性と判定されれば、「介護現場の危機」に直結するほか、老健が担っている在宅支援の機能がストップすると危機感をあらわにした。

 その上で、老健がこうした機能を十分に発揮できるよう、陽性者を医療機関で受け入れる体制の早急な整備を国に求めた。

 全老健によると、千葉県の松戸市と市川市、富山市、福岡市にある4つの老健で、陽性と判定された入所者を病院に入院させることができず、施設内で引き続きケアを行っている。そのうち3カ所ではクラスターが発生している上、陽性者の複数の死亡が確認されているという。

 新型コロナウイルス感染症を巡り、全老健は21日、加藤勝信厚生労働相宛てに要望書を提出。施設内での集団感染などを防ぐため、感染が判明した入所者らが優先的に速やかに病院へ入院できるよう、各都道府県に指導することを求めた。

出典:医療介護CBニュース