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医療・介護ニュース

心理的負荷評価表の具体的出来事にパワハラ追加-厚労省、精神障害労災認定検討会の報告書案公表

2020年04月20日 22:30

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 厚生労働省は20日、「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書案を公表した。認定基準別表の「業務による心理的負荷評価表」に係る「具体的出来事」にパワーハラスメントを追加することが盛り込まれている。【新井哉】

 2020年6月からパワーハラスメント防止対策が法制化されることなどを踏まえ、検討会で心理的負荷評価表の見直しについての議論を重ねてきた。報告書案では、現行の認定基準について、パワーハラスメントの用語は使っていないが、それに該当する事案は、心理的負荷評価表の「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」の「具体的出来事」として評価してきたことを説明している。

 「具体的出来事」については、職場におけるパワーハラスメントの定義が法律上規定されたことを踏まえ、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」を追加することが「適当」とする見解を示している。

 独立した項目として設定・評価することが妥当とする理由も示しており、パワーハラスメントは、優越的な関係を背景とする上司などによる一方的な被害であり、対人関係の相互性の中で生ずるものに限らない特異性があることや、過去の労災認定事例などを見ると、当事者の立場や加害行為の態様に多様性があることを挙げている。

出典:医療介護CBニュース