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医療・介護ニュース

PCR検査の「出口戦略」都道府県の支援を要請-専門家会議の提言に盛り込む方向で調整へ、日医

2020年04月16日 16:20

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 新型コロナウイルスのPCR検査体制の拡充が進められる中、日本医師会(日医)の釜萢敏常任理事は、検査実施後の出口戦略について重要性を指摘する。陽性判定を受けた患者の状態を見極め、自宅療養や入院医療に適切に誘導するため、都道府県へ職員の配置など対応を求めている。政府の専門家会議が作成中の提言にも、こうした主張を盛り込むべく調整を進めている。【吉木ちひろ】

 東京都内では、一部の医療機関などに集中している負担を軽減させるため、新型コロナウイルスのPCR検査に特化したセンターの設置に向けた検討が始まっている。釜萢常任理事が15日の定例記者会見で説明した。東京のほか、福岡県でも同様の機能を持つ施設の設置に向けた準備が進んでいるという。また、迅速検査キットの開発も複数の企業が進めているところだ。

 こうした取り組みが広がりを見せる中、釜萢常任理事は「陽性者の割り振りが非常に大事な業務」と指摘し、都道府県知事の強いリーダーシップを求めた。帰国者・接触者外来や、今後、設置が広がるとみられる検査センターにも、「都道府県職員を配置して、この振り分けの業務を責任を持って円滑に行う体制が必要」と述べた。

 検査体制の拡充が進めば、宿泊施設での療養や自宅での健康観察を行う軽症者らへの対応も増えることになる。釜萢常任理事は、具体的な懸念事項として、▽家庭内感染の抑制▽重症化リスクの高い同居者の把握▽夜間を含めた急激な病状の変化への対応▽対象者の外出など行動制御-などを挙げ、十分な対応が可能となる人材配置を求める考えを示した。

 自宅療養者らへのフォローアップについては、厚生労働省の事務連絡を受け、日医としても14日に都道府県医師会に対して協力要請をしている。

出典:医療介護CBニュース