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医療・介護ニュース

日医会長、オンライン診療などで首相と意見交換-医療者の感染防止の重要性で一致

2020年04月06日 12:20

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 日本医師会の横倉義武会長は3日、安倍晋三首相と会談し、新型コロナウイルス感染症への対応などについて意見交換した。電話や情報通信機器を用いたオンライン診療に関して、横倉会長が有効性や問題点を指摘。医療従事者の感染防止の重要性で認識が一致した。【松村秀士】

 オンライン診療を巡っては、厚生労働省の2日の有識者検討会で、感染拡大時の限定的な措置として、慢性疾患で定期的に受診する患者らに医師が初診からオンラインで診療をすることを認めることで大筋合意した。しかし、受診歴がない患者への初診からのオンライン診療を認めることには、日医の今村聡副会長など複数の構成員が反対した。

 規制改革推進会議のタスクフォースが3日に開いた会合では、厚労省が検討会の議論の結果を報告した上で、受診履歴がない患者に初診からオンライン診療の実施を認めることには難色を示した。そのためタスクフォースは、現在の非常事態では受診歴の有無にかかわらず、全ての人が希望すれば初診からオンラインでの診療・服薬指導を受けられるようにすべきだとし、厚労省に再検討を求めた。タスクフォースでは、緊急対応策に関する検討の結果を近くまとめる。

■無症状・軽症者用の施設が必要-日医

 日医によると、横倉会長は3日の会談で、新型コロナウイルスの感染拡大によって、既に医療提供体制は危機的な状況で、特に東京や大阪ではそれが顕著だと説明。その上で、今後の医療提供体制について、各市区町村で感染に関する相談に対応できる体制づくりや、重症者の病床確保のための無症状・軽症者用の施設などの必要性を強調した。これに対し、安倍首相も同様の認識を示し、準備を進めていると応じた。

 横倉会長はさらに、地域の実情に応じて、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関と、その他の日常診療を行う医療機関に分けることも、現場の混乱を避けるために有効な手段だと指摘した。

出典:医療介護CBニュース