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医療・介護ニュース

第2期健康・医療戦略、統合プロジェクトを6つに再編-政府が閣議決定、対象は24年度まで

2020年03月27日 20:10

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 政府は27日、第2期健康・医療戦略を閣議決定した。従来は9つあった統合プロジェクトを、2期目では「ゲノム・データ基盤」「疾患基礎研究」など6つに再編。日本医療研究開発機構(AMED)の支援によって、基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進と、成果の実用化を目指す。【松村秀士】

 健康・医療戦略は、健康長寿社会の実現に向け、政府が講じるべき医療分野の研究開発や新産業創出に関する施策を総合的に進めるために策定するもので、第2期の対象期間は、2020年度から24年度までの5年間。

 第2期では、具体的な施策として、▽世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発の推進▽健康長寿社会の形成に資する新産業の創出および国際展開の促進-などを柱に据えた。

 このうち、世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発の推進については、各省の関連の研究開発事業を連携させて一元的に管理する統合プロジェクトを再編。「医薬品」「医療機器・ヘルスケア」「再生・細胞医療・遺伝子治療」「ゲノム・データ基盤」「疾患基礎研究」「シーズ開発・研究基盤」の6つの分野のプロジェクトに分け、それぞれ研究開発を進める。

 ゲノム・データ基盤のプロジェクトでは、健常な人や疾患のバイオバンク・コホートといった情報に加え、臨床研究を実施する際のコホート・レジストリや臨床情報などを統合し、必要なデータ基盤を構築する。また、がんや難病の患者らに質の高い医療を提供するため、「全ゲノム解析等実行計画」に取り組む。

 また、疾患基礎研究のプロジェクトでは、脳機能や免疫、老化といった生命現象の機能の解明や、さまざまな疾患のメカニズムの解明のための基礎的な研究開発を実施。その成果を他の統合プロジェクトなどに結び付けるとともに、臨床上の課題を取り込んだ研究開発も行う。

 第2期の健康・医療戦略は、政府が27日に開催した健康・医療戦略推進本部が取りまとめた。対象期間内でも、フォローアップの結果などを踏まえ、必要に応じて見直す予定。

出典:医療介護CBニュース