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医療・介護ニュース

医療用ガウン不足、東京の大学病院で手術先送りも-待機延長で症状悪化の恐れ、医師ら対応に苦慮

2020年03月27日 19:10

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 新型コロナウイルス感染症の影響による医療用ガウンの不足に伴い、東京都内の大学病院で患者の手術を先送りする動きが出てきた。手術を受けられない患者に対しては、投薬などによる治療や経過観察が行われているが、手術までの「待機期間」が延びれば、症状が悪化する恐れもあるため、担当する医師らが対応に苦慮している。【新井哉】

 医療用ガウンは、手術時などの接触や飛沫による汚染から医師や看護師らを守るために着用する。汚染された衣類を介した感染を防ぐため、原則手術ごとに交換している。ただし、最近は新型コロナウイルス感染症の患者増などの影響で、医療用ガウンの需要が急増。在庫を切らす販売業者が出てきており、一部の地域では、マスクと同じように医療機関への納入が滞っている。

 関係者によると、都内の一部の大学病院では、10-20分程度で済み、患者ごとに医療用ガウンを交換する白内障の手術について、患者に手術の先送りを求めたり、投薬による治療を勧めたりして、医療用ガウンやマスクの消費量を抑えている。網膜剥離などの緊急性の高い手術については、今のところ実施しているという。

 マスクなどの備蓄を巡っては、東京都が医療従事者向けの防護服を中国に12万着提供するなどして備蓄を減らしていた。現在、都は中国から提供を受ける立場となっており、都は26日、中国・北京市からマスク(1万枚)、ガウン・シューズカバー・手術用キャップ(5万セット)の寄贈があったことを明らかにしている。

出典:医療介護CBニュース