閉じる

医療・介護ニュース

感染拡大時は感染防止対策加算取得病院で協力へ-新型コロナ感染症へのスタンスを表明、日慢協

2020年03月16日 21:10

印刷

 日本慢性期医療協会(日慢協)13日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症に対するスタンスを表明した。感染症指定医療機関で新型コロナウイルス感染症患者を受け入れきれなくなった際に、「感染防止対策加算1」を取得した病院の指導の下、「感染防止対策加算2」を取得した病院が患者受け入れを行う方針。同日の会見では、厚生労働省からの依頼で会員病院のスタッフがクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の下船者の診療に当たっていたことも明らかにした。【吉木ちひろ】

 武久洋三会長は会見で、新型コロナウイルス感染症の患者について、現状では感染症指定医療機関で「感染症以外の患者を受け入れている病棟を空けてでも、受け入れるべき」として、会員病院については「感染症以外の転院可能な患者を積極的に受け入れる」立場だとした。その上で、感染が拡大して感染症指定医療機関のみで感染症患者の受け入れが困難になった場合には「感染防止対策加算」を取得した病院で患者を受け入れる方針を示した。

 また、武久会長は2月13日に厚労省から依頼を受け、2月14日から19日までの間、ダイヤモンド・プリンセス号の下船者の診療や投薬、健康相談に当たっていたことも明らかにした。泊まり込みで診療に当たった橋本康子副会長によると、対象者はPCR検査を実施した結果、陰性だった原則80歳以上の高齢者。高血圧や心臓の疾患、ぜんそくなどの持病を持つ人もいたという。医師・看護師・薬剤師らが交代でおよそ70名に対応し、2月19日には全員が陰性のまま帰宅していた。

■緊急調査の結果、半数以上が発熱患者を積極受け入れ
 
 
このほかに武久会長は、日慢協役員の病院に対して新型コロナウイルス感染症に関する緊急調査をしたことも説明した。64病院が3月11日時点の状況について回答しており、結果について厚労省・保険局とも共有している。

 それによると、発熱患者全般への対応では「新型コロナウイルス感染症の疑いがある患者はすべて帰国者・接触者相談センターへ紹介し、それ以外の発熱患者は受診も含めて積極的に受け入れている」と54.7%の病院が回答するなど、発熱患者への診療を行う病院が大半だった。「新型コロナウイルス感染症疑いの患者の受診も含めて、発熱患者全般を積極的に受け入れている」と回答した病院は7.8%、「発熱患者全般に、原則として電話対応のみとしている」は10.9%だった。

 発熱患者全般を外来で受け入れている場合の対策については「一般受付窓口で対応した上で、以後は車の中または別区画した待合室を設けている」が56.3%で最も多く、次いで「独立した外来窓口、待合室、診察室等を設けている」「外来受診に対応していない」が共に10.9%、「特に区分けはせずに、外来受診対応している」が7.8%の順だった。

出典:医療介護CBニュース