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医療・介護ニュース

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、4県で警報レベル-「今後も流行続く可能性」指摘も

2020年03月03日 14:40

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 主に小児が感染して気管支炎などを起こすA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行が本格化しつつある。2月17日から23日までの週の全国の定点医療機関当たりの患者報告数は前週比約12%増の3.66人で、過去10年で2番目に多い。石川、新潟、福岡、富山の4県で警報基準値を超えており、患者が増加傾向の自治体では警戒を強めている。【新井哉】

 都道府県別では、石川が9.83人で最も多く、以下は、新潟(9.51人)、福岡(8.31人)、富山(8.28人)、山形(7.57人)、鳥取(6.89人)、千葉(5.57人)、北海道(5.13人)、宮崎(5.06人)、岩手(4.8人)、宮城(4.71人)、埼玉と愛媛(共に4.11人)、東京(3.82人)、長崎(3.8人)、福島(3.74人)などの順だった。

 石川県の能登中部保健所管内では、警報基準値(8.0人)の3倍近い21.75人を記録した。新潟県は、警報終息基準(4.0人)を下回るまで警報を継続すると説明。福岡県は「今後も流行が続く可能性」があるとして注意を呼び掛けている。

 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、レンサ球菌が引き起こす感染症で、発熱や咽頭炎、扁桃炎、発疹などの症状が出る。気管支炎を起こすことも多い。主に小児の間で発生し、冬季や春から初夏にかけて流行する傾向がある。鼻汁や唾液中の菌の飛散などで感染し、家庭や教育施設での集団感染が多い。予防法は、患者との接触を避けるほか、うがいや手洗いなどが有効とされている。

出典:医療介護CBニュース