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医療・介護ニュース

精神科身体合併症患者の救急時対応体制を整備-市立伊丹病院・近畿中央病院の統合再編基本方針案

2020年01月22日 17:40

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 兵庫県伊丹市はこのほど、市立伊丹病院(一般病床414床)と公立学校共済組合近畿中央病院(一般病床408床、人間ドック37床)の統合再編に係る基本方針案を公表した。伊丹市外や圏域外へ多く搬送されている救急患者については、「受け入れるために必要な病床数を整備する」と明記。精神疾患に身体疾患が合併した「精神科身体合併症患者」に関しても、「救急時対応体制を整備する」としている。【新井哉】

 基本方針案によると、2025年度に開院する予定で、600床規模の病床数を整備する。具体的には、市外・圏域外への流出が多いとみられる、がんや脳血管疾患、心血管疾患などについて、診療機能の強化を図るほか、「2次・3次救急医療の提供を担う圏域内における基幹病院として必要とされる病床数を整備する」としている。

 また、救急搬送や救急外来からの感染症患者への対応について「動線エリアを確保する等、適切な感染管理可能な施設整備に取り組む」と記載。手術室や集中治療室・病室においても「新型インフルエンザ対策についてパンデミックが起こった際、感染管理を行える施設整備を行う」といった方向性を示している。

 周産期医療にも力を入れる。地域周産期母子医療センターの設置を検討し、正常分娩からハイリスク妊産婦・新生児まで対応可能な周産期医療体制の充実を図る方向性を記載。災害医療に関しては、災害派遣医療チーム(DMAT)の整備を検討するほか、災害拠点病院として、▽耐震強化▽ライフラインの維持・確保▽ヘリポートの確保▽医療資器材等の確保・備蓄▽業務継続計画(BCP)の策定-といった施設機能の強化を図る方針だ。

出典:医療介護CBニュース