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医療・介護ニュース

新型コロナウイルス検査対象者、個室対応も選択肢-国立感染症研究所、積極的疫学調査実施要領を公表

2020年01月20日 16:10

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 中国湖北省武漢市の居住者を中心に新型コロナウイルスの患者が断続的に報告されていることを受け、国立感染症研究所は17日、「新型コロナウイルスに対する積極的疫学調査実施要領(暫定版)」を公表した。検査対象者については、検査の結果が判明するまでの間、感染伝播に十分配慮する必要があることに触れ、「本人の同意を得た上で、医療施設における個室対応などの対応も選択肢となりうる」としている。【新井哉】

 実施要領では、新型コロナウイルスに関して、「家族内等において限定的なヒト-ヒト感染が確認されていることから、接触者調査を実施し、適切な対策を実施することで感染拡大を防止することが重要である」と記載。高齢者や基礎疾患のある人が感染した場合、「重症化する恐れもあることから、患者に対する適切な医療の提供も重要である」としている。

 「患者(確定例)」と「濃厚接触者」を調査対象としており、「濃厚接触者」については、▽「患者(確定例)」と同一住所に居住する者▽個人防護具を装着しなかった、または正しく着用しないなど、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」の診察、処置、搬送等に直接かかわった医療関係者や搬送担当者▽「患者(確定例)」由来の体液、分泌物(汗を除く)などに、必要な感染予防策なしで接触した者-などを挙げている。

 調査内容も詳述している。例えば、「濃厚接触者」に対しては、「最終曝露から14日間、健康状態に注意を払い、37.5℃以上の発熱、または急性呼吸器症状がでた場合、医療機関受診前に、保健所へ連絡するようにお願いする」としている。

 積極的疫学調査の対応人員が「患者(確定例)」や検査対象者に対面調査を行う場合は、「眼の防護具(ゴーグルまたはフェイスシールド)、長袖ガウンを追加し、必要に応じてサージカルマスクではなくN95マスクを着用する」と記載。「濃厚接触者」には「手洗いと咳エチケットを徹底するよう指導し、常に健康状態に注意を払うよう伝える」としている。

出典:医療介護CBニュース