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医療・介護ニュース

都市部の介護基盤「効率よくデザインを」-大島老健局長、2040年見据えた地域包括ケアを展望

2019年12月12日 19:35

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 厚生労働省の大島一博老健局長は11日、医療フォーラムで2040年を見据えた介護サービスの基盤整備の方向性について語った。特に都市部では国有地を活用した大型の施設整備などが進んできたが、今後はスペースが不足してくることなどを踏まえ、「効率よく地域をデザインすることが求められる」と展望した。【吉木ちひろ】

 「2040年を見据えた地域包括ケア」と題した講演で、大島局長が現下の課題として示したのは、「人手不足・基盤整備」「認知症」「財政の持続性」。

 基盤整備については今後、40年までの間にサービス利用者が増える地域は、太平洋ベルト地帯と政令指定市に集中することを指摘。こうした地域は「おしなべて地価が高い地域。人件費も高い。あるいは他の分野との競争が激しい地域であるということが考えられる」と述べ、市町村や都道府県が「長期的な視点を持ちながら効率的・効果的に基盤を整備していくことが重要」との認識を示した。

 介護施設の整備については「民間の建物の中に合築するとか、あるいは200坪程度の土地でも高層化してサービスをつくっていく」方法を挙げた。また、都市部は高所得者が比較的多いことから、「有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も有力なサービス基盤になり得る」一方で、低年金や高齢女性の一人暮らしなどの層を受け入れるために特養の整備が考えられるとした。

 また、在宅支援を目的としたサービスについて「ほかの地域に比べて、まだ機能し得る可能性が高い」として、在宅医療の確保や小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などを組み入れながら、必要に応じて入居系サービスを整備していく必要があるとした。

 一方で、利用者の伸び率が低いそのほかの地域は「(介護施設を)新規でつくるのはやめた方がいい」と述べ、既存施設の活用や将来別の目的に転用できる施設、共生型サービスなどの活用をすべきだとした。

 また、人材不足については介護施設や特定施設の人員配置基準は基本的に3対1だが、実際には多くの施設でこれより手厚い配置がされている。大島局長は、「業務仕分け」「ロボット・ICTの活用」「介護助手の活用」といった複合的な取り組みを通じて、サービスの質を維持・向上させながら「2対1ぐらいに出回っている配置基準をどこまで3対1に近づけることができるか」が現状取り組むべき対策との認識を示した。

出典:医療介護CBニュース