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医療・介護ニュース

抗がん剤治療の悪心・嘔吐抑制、新しい療法に有用性-国がん中央病院などの研究グループが明らかに

2019年12月12日 08:30

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 国立がん研究センター(国がん)は12日、国がん中央病院と静岡県立静岡がんセンターを中心とした研究グループが、抗がん剤での治療による悪心(吐き気)・嘔吐を抑える新たな制吐療法の有用性を医師・薬剤師主導の第III相ランダム化比較試験で明らかにしたと発表した。【新井哉】

 新たな制吐療法は、抗精神病薬(オランザピン)を用いたもので、眠気やふらつきの副作用がある同薬の用量を減らし、内服時間を工夫することで、副作用を抑えながら現在の標準的な制吐療法よりも高い悪心・嘔吐抑制効果が持続的に得られることを確認したという。

 国がんによると、今回の試験では、セロトニン受容体拮抗薬、ニューロキニン1受容体拮抗薬、ステロイドの3剤を併用した標準的な制吐療法にオランザピン5mgを加えたグループと、標準的な制吐療法にプラセボ(偽薬)を加えたグループについて、▽急性期▽遅発期(抗がん剤治療を開始してから2-5日目)▽急性期と遅発期を合わせた全期間-における有効性を調べた。

 悪心・嘔吐の研究で最も重要な指標となっている「嘔吐完全抑制割合」において、成績の改善が求められている遅発期の割合を13%改善した。また、オランザピンの内服時間を従来の就寝前から夕食後にしたことで、就寝時には副作用の眠気が良眠につながり、翌日の日中には眠気が残りにくいことが示唆されたという。この研究の成果は医学雑誌「The Lancet Oncology」に掲載された。【訂正】
本文3パラ目「ニューキノロン1受容体拮抗薬」を「ニューロキニン1受容体拮抗薬」に訂正しました。

出典:医療介護CBニュース