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医療・介護ニュース

外来時定額負担への反対は「医療界の総意」-日医が改めて主張

2019年12月11日 20:15

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 日本医師会(日医)は11日の定例記者会見で、外来受診時定額負担の導入に反対する立場を改めて示した。松本吉郎常任理事は会見の冒頭、「医療界全体の総意であるということをまず、申し上げたい」と主張し、政府の「全世代型社会保障検討会議」が年内の中間取りまとめに向けて調整を進めていることを踏まえ、けん制した。【吉木ちひろ】

 少子高齢化やライフスタイルの変化に合わせた社会保障制度の見直しを検討している政府の全世代型社会保障検討会議は、年金や労働、医療、予防・介護の制度をパッケージとして見直す方向で調整を進めている。医療分野では、▽後期高齢者の負担割合の引き上げ▽外来受診時の定額負担▽市販品類似薬の保険上の取り扱い―が焦点。

 この日の会見で松本常任理事は、外来受診時の定額負担に強く反対する立場を表明。「(患者負担を原則3割とする)ルールを変えて患者さんに負担を求めることは、社会保障としての国民皆保険の理念に反する」と従来の主張を繰り返した。その上で、この主張は医療・介護関係40団体で構成する国民医療推進協議会の6日の総決起大会で、ほかの医療業界の団体の賛同を得たことも述べた。 外来受診時の定額負担については、11日午後に東京都内で開催された医療フォーラムで講演した横倉義武会長も「非常に強い反対をしている」と言及していた。一方で、後期高齢者の患者負担の引き上げについては「あくまでも収入のある人、負担ができる人に負担してもらうことがよろしいか」などと容認する態度を示した。

出典:医療介護CBニュース