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医療・介護ニュース

看護職員の確保、日看協が入院基本料の引き上げを要望-看護補助者の配置に関する評価の引き上げも

2019年12月02日 20:35

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 日本看護協会(日看協)は2日、2020年度の診療報酬改定に関する要望書を厚生労働省に提出したことを明らかにした。医療従事者の働き方改革に必要な看護職員の確保が可能となるよう、診療報酬での入院基本料を引き上げることなどを求めた。【松村秀士】

 吉川久美子常任理事が11月28日、同省保険局の森光敬子医療課長に要望書を手渡した。20年度改定に向けて、日看協が同省に要望書を提出するのは、5月14日以来2度目。今回は、主に看護職の負担軽減に焦点を当てて、3つの項目について要望した。

 それによると、医療従事者の働き方改革が進められる中、医師からのタスクシフト(業務の移管)やタスクシェア(業務の共有)、勤務環境改善を推進するため、医療機関では看護職員の確保が重要になると指摘。その上で、医療機関がこれらの取り組みを進めるために必要な看護職員の確保が可能となるよう、入院基本料の引き上げの必要性を強調している。

 また、看護職員からのタスクシフトやタスクシェア、勤務環境改善を推進するには看護補助者の確保が「喫緊の課題」だとし、看護補助者の処遇を改善して確保できるよう、看護補助者の配置に関する評価の引き上げも求めている。

 さらに、患者状態を正確に把握するため、「重症度、医療・看護必要度」のB項目の判断基準を、「患者の状態」と「介助の実施」に分けて測定することも要望。その際には、記録に関する負担軽減のため、新たに測定する「患者の状態」が「介助の実施」の根拠となり、別途記録の作成が不要となることを、「重症度、医療・看護必要度に係る評価票評価の手引き」「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」に明示するよう求めている。

 日看協によると、森光医療課長はこれらの要望に理解を示し、検討していくと応じた。

出典:医療介護CBニュース