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医療・介護ニュース

後期高齢者医療の保険料上限額、64万円に引き上げへ-20年度、社保審・医療保険部会で了承

2019年11月21日 21:10

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 社会保障審議会の医療保険部会は21日の会合で、2020年度の後期高齢者医療での保険料上限額(賦課限度額)を、64万円に引き上げることを了承した。19年度と比べて2万円増加。中間所得層と高所得層の保険料負担の伸び率のバランスなどに配慮した措置。【松村秀士】

 医療保険制度では、被保険者の納付意欲に与える影響や、制度・事業の円滑な運営を担保する観点から、被保険者の保険料負担に一定の限度を設けている。

 高齢化の進展などで医療給付費が増加する中、保険料負担の上限を引き上げず、保険料率の引き上げによって必要な保険料収入を確保することにすれば、高所得層の保険料負担は変わらないが、中間所得層の負担が重くなる。一方で、保険料負担の上限を引き上げれば、高所得層はより多く負担することになるが、中間所得層の負担に配慮した保険料の設定が可能となる。

 これまで、保険料負担の公平を図る観点から、後期高齢者医療での保険料の賦課限度額が引き上げられてきた=表=

 21日の会合で厚生労働省は、中間所得層の保険料負担の抑制や、中間所得層と高所得層の保険料負担の伸び率のバランス、上位所得者にも応分の負担を求める観点から、さらなる引き上げ案を示した。具体的には、17年度以降の国民健康保険の賦課限度額の引き上げ幅(73万円から80万円)を踏まえ、20年度の保険料の賦課限度額を19年度と比べて2万円増の64万円とする提案。

 この通りに見直されると、所得割のかかる被保険者のうち、平均的な年金収入(341万円)の人の20年度の保険料が21万4,000円(19年度比2.5%増)、高所得層に相当する賦課限度額超過被保険者は64万円(同3.2%増)となり、中間所得層の保険料の伸び率が高所得層の伸び率をやや下回る水準に抑えられると、厚労省は見込んでいる。

 厚労省の提案に対して、委員から特に反対意見は出なかった。兼子久・全国老人クラブ連合会理事は、10月の消費税率引き上げで中間所得層などの人が経済的に厳しい状況に置かれていることが想定されるとし、引き上げに賛同した。一方、松原謙二・日本医師会副会長は、「適切な修正案だ」としながらも、年金生活者が将来に不安を抱かないように配慮する必要があるとの考えを示した。

出典:医療介護CBニュース