2024年09月05日 14:50
厚生労働省が4日に公表した2023年度の「使用者による障害者虐待の状況等」の調査によると、虐待の通報・届け出があった事業所数は前年度よりも2割超増加し、1,512事業所だった。通報・届け出の対象となった障害者数は前年度から約3割増えて1,854人となり、それぞれ新型コロナウイルス感染症の流行前の水準に戻っている。厚労省の担当者は、「23年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法の2類相当から5類へ移行したことで、障害者の就労機会が増加したことが背景にある」と見ている。【渕本稔】
調査は、障害者を雇用する事業主や職場の上司などの「使用者」による障害者への虐待の状況を把握するために行った。23年度に、都道府県から労働局への報告や、労働局・労働基準監督署・公共職業安定所への情報提供や相談があったものに加え、労基署による臨検監督や職安による事業所訪問などで事例を把握したものを取りまとめた。
新型コロナ流行前の19年度に虐待の通報・届け出があった事業所は1,458事業所で、20-22年度は1,250事業所程度に減少していたが、23年度は1,512事業所に増えた。
通報・届け出の対象となった障害者数についても、19年度は1,741人で、20-22年度は1,420人前後だったものの、23年度は1,854人に増加した。
虐待が認められたのは447事業所(前年度比4.0%増)で、虐待が認められた障害者数は761人(16.0%増)。
虐待が認められたのは、知的障害のある人が37.4%で最も多く、次いで精神障害(35.8%)、身体障害(18.9%)、発達障害(6.1%)など。
虐待の内容は、経済上の不利益を不当に与える経済的虐待が80.6%と最も多かった。そのほか、心理的虐待(8.7%)、放置などによる虐待(5.1%)、身体的虐待(3.8%)、性的虐待(1.8%)が報告された。
就労形態別では、パート・アルバイトが59.9%と大半を占めており、正社員は25.6%で2番目に多かった。
厚労省では、調査結果を踏まえ、「地方公共団体と緊密に連携を取りながら、さまざまな機会をとらえて障害者虐待防止法に基づく虐待防止の周知・啓発活動に努めていく必要がある」としている。
調査は、障害者を雇用する事業主や職場の上司などの「使用者」による障害者への虐待の状況を把握するために行った。23年度に、都道府県から労働局への報告や、労働局・労働基準監督署・公共職業安定所への情報提供や相談があったものに加え、労基署による臨検監督や職安による事業所訪問などで事例を把握したものを取りまとめた。
新型コロナ流行前の19年度に虐待の通報・届け出があった事業所は1,458事業所で、20-22年度は1,250事業所程度に減少していたが、23年度は1,512事業所に増えた。
通報・届け出の対象となった障害者数についても、19年度は1,741人で、20-22年度は1,420人前後だったものの、23年度は1,854人に増加した。
虐待が認められたのは447事業所(前年度比4.0%増)で、虐待が認められた障害者数は761人(16.0%増)。
虐待が認められたのは、知的障害のある人が37.4%で最も多く、次いで精神障害(35.8%)、身体障害(18.9%)、発達障害(6.1%)など。
虐待の内容は、経済上の不利益を不当に与える経済的虐待が80.6%と最も多かった。そのほか、心理的虐待(8.7%)、放置などによる虐待(5.1%)、身体的虐待(3.8%)、性的虐待(1.8%)が報告された。
就労形態別では、パート・アルバイトが59.9%と大半を占めており、正社員は25.6%で2番目に多かった。
厚労省では、調査結果を踏まえ、「地方公共団体と緊密に連携を取りながら、さまざまな機会をとらえて障害者虐待防止法に基づく虐待防止の周知・啓発活動に努めていく必要がある」としている。