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医療・介護ニュース

ギャンブルなどへの依存疑い、40歳代男性で多い-全体では1.7% 厚労省

2024年09月02日 18:44

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 厚生労働省は、2023年度に行われたギャンブル関連問題の実態調査の結果を公表した。それによると、ギャンブルなどへの依存が疑われる人の割合は1.7%だった。男性の割合は女性の5.6倍で、年代別では40歳代が2.4%と最も多かった。【渕本稔】

 次いで30歳代(2.1%)、50歳代(1.5%)、60歳代(1.3%)などの順だった。

 調査は、一般住民が対象の調査(A)とギャンブルへの依存などで公的な相談機関を利用した人が対象の調査(B)の2本立てで、国立病院機構久里浜医療センターが行った。

 調査Aでは、全国の18歳以上75歳未満の1万8,000人に23年11月1日-24年1月31日、ギャンブル行動に関するアンケートを実施。8,898人から回答を得た(有効回答率49.4%)。

 その結果、ギャンブルなどへの依存が疑われる人の割合は全体の1.7%で、男性2.8%、女性0.5%だった。20年度に実施した前回の調査の1.6%と比べ、有意差はなかった。

 ギャンブルへの依存が疑われる人が過去1年間で最もお金を使ったギャンブルの種類は、男女を合わせると「パチンコ」が46.5%と最も高かった。以下は「パチスロ」(23.3%)、「競馬」(9.3%)などの順。

 依存が疑われる人は、そうでない人に比べてうつ・不安が強く、自殺したいと考える「自殺念慮」の経験割合も高かった。■公的機関に相談するまで「5年以上」が2割弱
 調査Bでは、ギャンブルの問題などで公的機関に相談をした当事者とその家族を対象に23年9月1日-24年3月31日に郵送・インターネットでアンケートを実施。当事者288人と家族382人から有効回答を得た。

 相談機関を利用した当事者が、問題となっているギャンブルとして挙げたのは「パチスロ」(35.8%)、「パチンコ」(33.3%)、「競馬」(28.9%)などの順に多かった。家族の回答では「パチンコ」(46.4%)、「パチスロ」(35.1%)、「競馬」(32.0%)などの順。

 ギャンブルの問題に気付いてから病院や相談機関を初めて利用するまでにかかった期間は、当事者が平均2.9年、家族が3.5年だった。ただ、相談するまでの期間が1年未満の人は当事者で56.1%、家族で52.4%と共に過半数を占めた。

 一方、5年以上かかったという人が当事者・家族で共に2割弱いることも明らかとなった。

 厚労省の担当者は、「以前に比べると公的機関への相談にかかる時間は短くなってきていると感じるものの、相談に至るまでに長期間かかっている人がいまだに一定数存在する」とし、ギャンブル依存症に関する知識や理解を深めるため、イベントの実施やSNS・ポスターなどを通じて普及啓発活動に取り組む意向を示した。

 25年度には、政府の「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」の改訂が予定されており、今回の調査はそのための基礎資料として活用される。

出典:医療介護CBニュース