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医療・介護ニュース

精神疾患につながるストレス、健康リスクの2位に-調査事業を通じて初 厚労省

2024年08月28日 12:56

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 厚生労働省が27日に公表した心身の健康状態や心の不調に関する意識調査によると、最も懸念される健康リスクは、「生活習慣病を引き起こす生活習慣」に次いで「精神病を引き起こすストレス」が2番目に高かった。心の健康に関するリスクが第2位の要因となったのは初めてで、心の健康へのリスクが重視されつつある現状が明らかになった。【渕本稔】

 調査は2023年度の「少子高齢社会等調査検討事業」として実施された。この事業では毎年異なるテーマで意識調査を実施しており、23年度は心と体の総合的な健康状態や心の不調に関する調査を行った。全国の20歳以上の男女3,024人が24年1月26-30日にインターネットで回答した。

 最も懸念される健康リスクは、「生活習慣病を引き起こす生活習慣」が36.4%と最も高かった。同様の質問をした04年度と14年度の調査でも最も高かったが、低下傾向にある。これに対し、「精神病を引き起こすストレス」は上昇傾向にあり、14年度比4.6ポイント高い15.6%で、初めて第2位になった。

 ストレスや不安感が「ある、またはかなりあるが、特に何もしていない」という人は23.1%で、20-30歳代では3割を超えた。

 心の健康について、同居の家族が「よい影響を与えている」「どちらかといえばよい影響を与えている」と回答した割合は計67.3%で、別居の家族(計59.6%)や、現在の学校や職場の友人・同僚(計44.0%)、過去の学校や職場の友人・同僚(計48.0%)などの中で最も高かった。

 「心の不調を自覚したら家族に相談すると思うか」という質問に、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答したのは計56.9%で、体の病気(がん)の計68.1%に比べて10ポイント超低かった。

 心の健康状態が「あまりよくない」人に絞った場合、この質問に「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答したのは計39.2%、「よくない」では計26.1%といずれも大きく低下しており、心の健康状態がよくない人ほど家族への相談をためらう傾向が見られた。

 心の不調に関する理解の促進に必要な施策を聞いたところ、「心の不調が特別な病気ではないことを周知・啓発する取り組み」が43.2%と最も高かった。次いで「心の不調を感じた時の相談窓口の認知度向上やさらなる設置」(38.5%)、「心の不調を予防するために自分でできる取り組みの紹介や普及」(30.9%)などが続いた。

 自由記述回答では、「匿名で相談できるツール」も複数挙がった。

出典:医療介護CBニュース