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医療・介護ニュース

困難を抱える女性の共通ダイヤル「#8778」開設-厚労省

2024年06月04日 17:10

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 厚生労働省は3日、都道府県が設置している女性相談支援センターへの全国共通短縮ダイヤル「#8778(はなそうなやみ)」を開設した。女性相談支援センターでは、DVや経済的困窮、差別・偏見などさまざまな困難を抱える女性の相談に乗り、支援を行っている。「#8778」の運用開始により、同センターへのアクセス向上を図り、より多くの女性が支援を受けられるようにする。【渕本稔】

 「#8778」を利用すると、電話をかけた都道府県の女性相談支援センターにつながり、保健師や精神保健福祉士、社会福祉士など専門の相談員に悩みを相談できる。メンタルヘルスの問題も含めてさまざまな相談に応じ、緊急の保護や問題解決のために適切な支援先へとつなぐ。

 深刻な悩みを抱える女性への支援を巡っては、2024年4月1日に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援新法)が施行された。それまで運用されていた「婦人相談所」を「女性相談支援センター」に名称変更し、家庭内暴力や生活困窮、性被害など複雑かつ複合的な困難を抱える女性への支援を強化する方針が打ち出された。

 昨年末には悪質なホストクラブを利用している女性が多額の借金を背負わされるなどの問題が相次ぎ、誰かに相談したくても相談先が分からず、支援の手が届かないという課題があった。そのため厚労省は、女性相談支援センターへのアクセス向上を図り「#8778」を開設。積極的な利用を促している。

 ただ、NTTアナログ固定電話やNTTひかり固定電話、ソフトバンク、NTTドコモ、KDDI(au)の電話回線では一部利用できない地域があり、その場合は各都道府県の女性相談支援センターに直接相談するよう呼び掛けている。

出典:医療介護CBニュース