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医療・介護ニュース

看護教育に「プラネタリーヘルス」の視点を-日本医療政策機構が提言

2024年05月31日 13:15

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 日本医療政策機構(HGPI)は30日、看護実践能力の修得に必要な学修目標を示す「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂について、地球環境と人間の健康とが相互に影響し合うメカニズムを探求する「プラネタリーヘルス」の視点を導入すべきだとした提言を発表した。【栗原浩太】

 文部科学省では、看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた検討を進めており、新しいカリキュラムは2026年度から運用開始される予定だ。看護学に先立って改訂され、24年度に導入が始まった医学教育モデル・コア・カリキュラムについては、20年後の社会を想定した医師として求められる資質・能力の要素の一つとして、「気候変動と医療」の項目が新たに加わった。

 提言では、気候変動など地球規模の環境変化に起因する新興感染症や気象災害による健康問題が世界全体に影響を及ぼしているとした上で、看護教育にも「プラネタリーヘルス」や「気候変動と健康」の視点を導入することが必須だと主張している。

 具体的には、国際看護協議会(ICN)が18年に発表した声明である「看護師、気候変動と健康」を倫理分野の学習内容に加えるべきと提案している。

 この声明は、気候変動に強い保険システムを構築するための行動を起こすことを看護師に求めたもので、HGPIは「公平性・社会正義の観点から重要な指針である」と高く評価している。

 また、気候変動は将来世代の人々に対し強い影響が生まれる可能性があることから、「世代間での不平等についても考え、行動する必要がある」との考えを示している。

出典:医療介護CBニュース