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医療・介護ニュース

不妊治療経験者の4人に1人が仕事と両立できず-厚労省調査

2024年04月03日 13:42

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 不妊治療をした人の4人に1が仕事との両立ができず、退職や雇用形態の変更、不妊治療の中止を余儀なくされていたことが厚生労働省の調査で分かった。【渕本稔】

 調査は2023年8月にインターネットで実施。現在は離職中の人や不妊治療未経験の人も含む男女の労働者2,000人が回答した。

 不妊治療の有無を尋ねたところ、全体の14.5%(257人)が経験ありと回答。そのうち仕事との両立ができないと回答したのは26.1%だった。両立できない理由として最も多かったのは「通院日と仕事の日程調整が難しい」で49.3%。次いで「精神面の負担が大きい」(44.8%)、「体調や体力面で負担が大きい」(40.3%)などが理由に挙がった。

 両立できないとして、不妊治療をやめる人もいるが、多くは退職するなり、雇用形態を変えるなどで対応していた。調査では、不妊治療と仕事を両立する上で会社や組織に希望する制度を尋ねており、「不妊治療に利用可能な休暇制度」(20.8%)や「有給休暇など現状ある制度を取りやすい環境作り」(20.1%)を会社などに求める声が多かった。

 行政には「仕事との両立を支援する勤務時間や休暇などに関する制度の導入を企業に促す」(30.4%)や「仕事との両立を支援する企業への支援・助成」(27.7%)などの支援を望んでいた。

 厚労省の担当者は、不妊治療と仕事の両立が容易でない現状が明らかになったことを踏まえ、「今後、不妊治療と仕事の両立をサポートする情報提供を行うリーフレットの作成や、不妊治療への理解や機運を高める広告を一般の人に向けて出すなどの取り組みを検討している」と話している。

出典:医療介護CBニュース