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医療・介護ニュース

マダニ媒介感染症、国内初となる人から人への感染例-感染研

2024年03月21日 12:00

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 国立感染症研究所は19日、マダニが媒介する新興ウイルス感染症で、致死率が高い「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、国内で初めて人から人への感染が確認されたと発表した。【渕本稔】

 90歳代男性患者から担当医だった20歳代医師が感染したものとみられる。

 感染研によると、2023年4月に患者が救急外来を受診し、当該医師はサージカルマスクを装着して問診を行い、手袋をせずに身体診察を行った。患者の体液に直接触れるような診察や処置はしなかった。

 患者は入院後に死亡。医師は患者との初めての接触から11日後に38度の発熱と頭痛を自覚し、その後SFTSと確定診断された。医師は経過観察のみで症状は改善した。

 感染研は感染経路について、診察時のほかに死後処置時の可能性を挙げている。医師は患者の死後、カテーテルの抜去や縫合処置を行ったが、一重手袋、ガウン、サージカルマスクは装着していたものの、アイガードは使用していなかった。

 SFTSの人から人への感染は中国や韓国から複数報告されているが、国内では初の事例。

出典:医療介護CBニュース