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医療・介護ニュース

電子処方箋、病院の「運用開始率」0.4%-厚労省「緊要性を感じていない」

2024年03月08日 17:04

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 厚生労働省によると、電子処方箋管理サービスの病院の運用開始率は2月4日時点で0.4%だった。25道県では運用を始めた病院がない。病院以外の運用開始率は、医科診療所1.0%、歯科診療所0.1%、薬局19.6%といずれも2割に届いていない。【栗原浩太】

 政府の「医療DXの推進に関する工程」では、電子処方箋について、オンライン資格確認の運用を始めたおおむね全ての医療機関・薬局に25年3月までに導入することを目指すとしている。

 電子処方箋の運用開始率は、全施設数に占める運用開始施設数の割合。厚労省が6日、ホームページに掲載した「全国薬務主管課長会議」の資料に盛り込んだ。同省は、導入施設数が少なく医療機関・薬局が緊要性を感じていないことや、複数のシステム改修が断続的に必要となることなどを導入が進まない理由として挙げている。

 厚労省の担当者は説明動画の中で、6月の診療報酬改定に伴うシステム改修のタイミングでの電子処方箋の導入を公的病院に要請していることを報告した。

 一方、厚労省が毎週公表している「医療機関・薬局での電子処方箋システムの導入状況」によると、電子処方箋の運用を始めた病院、診療所、薬局は3月3日時点で計1万5,380施設だった。

 内訳は、薬局が1万4,206施設と全体の92.4%を占めており、ほかは医療診療所1,085施設、歯科診療所51施設、病院38施設。

 ただ、医療機関等向け総合ポータルサイトで電子処方箋システムの利用申請を済ませた施設は計6万9,295施設だった。 

出典:医療介護CBニュース