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医療・介護ニュース

介護福祉士の実技試験廃止-15日までパブコメ実施、厚労省 

2024年03月07日 18:00

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 厚生労働省は、介護福祉士国家試験の実技試験廃止などを盛り込んだ省令案について意見募集(パブリックコメント)を15日まで実施している。【栗原浩太】

 省令案では、介護福祉士国家試験での実技試験を廃止したうえで、介護技術の取得が明確でない受験者については、介護福祉士登録前に技術取得のための研修である「介護過程III」の修了を求めるとしている。また、省令改正前に、「介護技術講習」もしくは「介護過程」を修了している受験者に対しては、「介護過程III」の修了免除などの経過措置を検討している。

 実技試験受験者の多くはEPA介護福祉士候補者だが、実技試験廃止に伴い、専門的技能の習得を担保するため、介護施設の研修に対し「介護過程III相当の専門的技術の習得」に配慮することを求める告示を4月上旬に行う予定。

 実技試験廃止の背景にあるのは受験者数の減少だ。厚労省の「介護福祉士国家試験の在り方に関する検討会」が2020年に公表した報告書によると、当時の実技試験受験者数は介護福祉士国家試験総受験者の1%以下。養成施設や福祉系高校の卒業者や介護技術講習修了者は、それまでの養成課程や介護技術講習で、一定の技能を修得しているとし、実技試験が免除されているためだ。 こうした状況を踏まえ、同検討会は報告書で、「受験者に不利益が生じないよう十分に配慮したうえで、実技試験を廃止することが適当である」と提言していた。

 その後、厚労省はEPA介護福祉士候補者の実態などを調査。実技試験廃止に向けた準備を進めてきた。

出典:医療介護CBニュース