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医療・介護ニュース

診療報酬「引き下げ余地全くなし」日医会長-財政審のマイナス改定提言に反論

2023年11月22日 19:58

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 2024年度の診療報酬改定を巡り財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が本体マイナスを提言したのを受けて、日本医師会の松本吉郎会長は22日の定例記者会見で「診療報酬を引き下げる余地は全くない」と反論した。【兼松昭夫】


 松本氏はその上で、医療従事者の賃上げに医療機関が対応できるように、高齢化に伴う社会保障費の増加分とは別枠で財源を確保するよう改めて主張した。

 24年度の政府予算案の編成に向けて財政審が20日に取りまとめた提言(秋の建議)では、本業以外の収支を含む診療所の経常利益率が、22年度は平均8.8%で全産業の水準(平均3.1-3.4%)を大幅に上回ることを指摘し、診療所への報酬単価を5.5%程度引き下げるなど24年度は本体マイナス改定にするのが適当だと主張した。

 しかし松本氏は会見で、本業のみの診療所の医業利益率は、20-22年度に平均3.3%程度と全産業とほぼ同じ水準にとどまることを指摘し、「診療報酬を引き下げる余地は全くない」と財政審に反論した。

 その上で、「医療や介護分野の賃金上昇は、他産業に大きく後れを取っている」と述べ、医療従事者の賃上げに対応できる財源を確保するため、診療報酬の大幅な引き上げを改めて求めた。

■「苦しい資料作りだ」財務省を批判

 新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関への補助金を含む経常利益率のデータを根拠に、財政審が本体マイナス改定を主張したことには「休みや睡眠を削りながらコロナ対応に奮闘した診療所や病院を全く評価しないような建議がなされたことは大変遺憾に思っている」と述べた。

 また、「通常の医療とコロナ対応に頑張った医療従事者の、まさに心が折れる建議だ」とも語った。

 松本氏はさらに、「財務省が意図的に、恣意的な資料を作り上げた」「無理やり持ってきた3年分の資料でものを言わざるを得なかった背景もあるかと思う。非常に苦しい資料作りだ」などと、データを集計した財務省を強く批判した。

出典:医療介護CBニュース