2023年10月10日 13:00
介護業界は光熱費や食材料費の高騰で大きな影響を受け、十分な処遇改善ができず離職者が増加しているとして、介護関係12団体は自民党の麻生太郎副総裁に、秋の緊急経済対策・補正予算で財政支援を求める要望書を合同で出した。【大月えり奈】
要望書を提出したのは▽全国老人保健施設協会▽全国老人福祉施設協議会 ▽日本認知症グループホーム協会▽日本慢性期医療協会▽日本介護福祉士会▽日本介護支援専門員協会▽日本福祉用具供給協会▽全国介護事業者連盟▽高齢者住まい事業者団体連合会▽全国介護事業者協議会▽日本在宅介護協会▽全国社会福祉法人経営者協議会-の12団体。
要望書では、介護現場は「過去にないほどの厳しい経営環境」だとし、公定価格での処遇改善には限界があると説明。介護団体が緊急で実施した調査の結果では2023年度の賃上げ率が1.42%と他産業を大きく下回っており、人材の他業種への流出が多く見られるとした。特に中堅の離職率は50%近く増加するなど「今までにない、待ったなしの危機的な状況」だと主張した。
そのため、24年度の介護報酬改定での適切な対応を要望するとともに、秋の緊急経済対策・補正予算における光熱水費・食材費の物価高騰へのさらなる対応と、介護現場で勤務する職員の処遇改善への対応を求めた。