閉じる

医療・介護ニュース

グループホームと老人ホームを“一つの建物に” -モデル事業に障害者と高齢化する親への取り組み

2023年10月04日 16:23

印刷

 健康増進や多世代交流などを考慮した住環境整備の取り組みを支援する国土交通省のモデル事業に、障害者とその家族が安心して暮らせるよう、障害者グループホームと有料老人ホームを一つの建物に整備する社会福祉法人の取り組みなどが選ばれた。【大月えり奈】

 国交省の「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」では、高齢者や障害者、子育て世帯を考慮した住宅・施設の整備計画に対して支援を実施している。年に2回、民間事業者などを公募・選定し、新築や改修にかかる費用の一部を補助している。

 2023年度(第1回)のモデル事業には、地域や医療、教育との架け橋を目指した障害児童向けの施設や、民泊ゲストハウスを併設した子育て・就労支援付きのシングルマザー向けシェアハウスなど、6つの事業が選ばれた。

 このうち、高齢者・障害者施設関連では、障害者と家族(親など)が適度な距離で見守りながら安心して暮らせるよう、グループホームと老人ホームを合築する大阪市の社会福祉法人(水仙福祉会)の事業計画が選定された。計画によると、建物の1階には地域に開かれたスペースも設け、大学生のボランティアや地域活動の担い手と協力しながら、問題を抱える家庭や子どもの支援活動を実施する。この活動にグループホームや老人ホームの入居者が参加することで、生きがい作りや差別の解消を目指す。

 モデル事業に選定した評価委員会は、「重度障害者の自立支援とその親の高齢化に真正面から挑む提案」だとした上で、グループホームが地域から隔離されている現状に対し、一つの解決策になり得る点も評価した。

出典:医療介護CBニュース