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医療・介護ニュース

訪問介護での看取りケアへの加算要望、関係団体-精神的負担大きくても「通常サービスと同様の単価」

2023年09月28日 20:00

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 2024年度の介護報酬改定に先立ち行われた関係団体へのヒアリングで、訪問介護員(ホームヘルパー)らで構成する団体が、看取りを行うに当たり職員も大きな精神的負担を感じているとして、訪問介護においても看取りケアへの加算を創設するよう要望した。【大月えり奈】

 日本ホームヘルパー協会と全国ホームヘルパー協議会が、27日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会で求めた。

 看取り介護加算は現在、特別養護老人ホームや介護付きホーム、認知症グループホームといった施設系や居住系のサービスには設けられているが、訪問介護は対象外となっている。

 こうした状況について、日本ホームヘルパー協会の代表者は、最期の時まで本人や家族の意向に沿った生活を送れるよう、身体的・精神的なサポートを行っていることや、医師や看護師など多職種と連携したり、頻繁に職員が会議を行ったりしていることを強調。その上で、死と向き合う介護職員の大きな精神的負担を挙げながら、現状では看取りケアを行っても通常の介護サービスと同様の報酬単価となっているとして、加算の創設を要望した。

 また全国ホームヘルパー協議会の代表者も、「在宅での看取り期は大変重要な時間であり、やりがいもあるが、それに見合う報酬ではない」とし、敬遠されがちだと説明した。 同協議会が8月から9月にかけて会員に実施した調査(複数回答)では、看取り期の利用者へのサービスにおいて、「サービス担当責任者からケアマネジャーへの報告・相談回数が増えた」という回答が59.5%あった。また「訪問介護員からサービス担当責任者への報告・相談回数が増えた」も57.6%だった。さらに、家族(介護者)の体調・精神的な不安への対応が増えたとする回答も33.4%あったとし、訪問介護が利用者や家族への丁寧なケアを行っていることへの適正な評価を検討するよう求めた。

出典:医療介護CBニュース