2023年09月14日 17:14
厚生労働省は、13日に開催された「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」で、国際共同治験開始前の第1相試験の実施に関する対応の方向性や新たな通知に記載する事項の基本的な考え方を示し、了承された。今度出す新しい通知に「原則として、日本人での第1相試験を追加実施する必要なない」といった考え方が盛り込まれる見通し。【新井哉】
厚労省は2007年の通知で、国際共同治験の第1相試験について、治験薬の単回投与試験による安全性や薬物動態などを検討し、「日本人におけるリスクが外国人におけるリスクと遜色ないことを確認しておくことが求められる」との考え方を提示。また、14年の事務連絡でも、国際共同治験を開始する時点で「ヒトでの忍容性について十分に確認できていない」「日本人での安全性に係るリスクが高い可能性がある」と考えられる場合は、国際共同治験に日本が参加する前に、日本人での第1相試験を実施することが必要との見解を示していた。その一方で、「民族的要因が被験薬の安全性に大きな影響を及ぼさない」と考えられる場合は、「日本人での第1相試験を実施しないことが許容される場合もある」としていた。
厚労省は前回の検討会で、大規模国際共同治験を実施する前に日本人の第1相試験を実施しているケースが多いことに触れ、これが「第3相試験の開始の遅延」「日本の開発不参加」につながっている恐れがあると説明。こうしたドラッグ・ロスの問題に対応するため、「国際共同治験実施前の日本人第1相試験の必要性に係る考え方を整理したい」としていた。検討会の構成員からは、第1相試験をしないことによる被験者への安全性の懸念とドラッグ・ロスが生じるという患者に対する不利益とのバランスを考慮する必要があるといった意見が出ていた。
このような課題や意見などを踏まえ、厚労省は、13日の検討会で、通知の関連記載を削除したり、事務連絡を廃止したりして「現時点での考え方を改めて通知してはどうか」と提案。また、個別品目ごとに、▽医薬品リスクの大きさ▽民族的要因の受けやすさ▽医薬品の医療上の必要性▽国際共同治験に参加しない場合の不利益-などを踏まえた「リスクベースの検討」に基づき判断する必要があるとの考えを示した。
厚労省は2007年の通知で、国際共同治験の第1相試験について、治験薬の単回投与試験による安全性や薬物動態などを検討し、「日本人におけるリスクが外国人におけるリスクと遜色ないことを確認しておくことが求められる」との考え方を提示。また、14年の事務連絡でも、国際共同治験を開始する時点で「ヒトでの忍容性について十分に確認できていない」「日本人での安全性に係るリスクが高い可能性がある」と考えられる場合は、国際共同治験に日本が参加する前に、日本人での第1相試験を実施することが必要との見解を示していた。その一方で、「民族的要因が被験薬の安全性に大きな影響を及ぼさない」と考えられる場合は、「日本人での第1相試験を実施しないことが許容される場合もある」としていた。
厚労省は前回の検討会で、大規模国際共同治験を実施する前に日本人の第1相試験を実施しているケースが多いことに触れ、これが「第3相試験の開始の遅延」「日本の開発不参加」につながっている恐れがあると説明。こうしたドラッグ・ロスの問題に対応するため、「国際共同治験実施前の日本人第1相試験の必要性に係る考え方を整理したい」としていた。検討会の構成員からは、第1相試験をしないことによる被験者への安全性の懸念とドラッグ・ロスが生じるという患者に対する不利益とのバランスを考慮する必要があるといった意見が出ていた。
このような課題や意見などを踏まえ、厚労省は、13日の検討会で、通知の関連記載を削除したり、事務連絡を廃止したりして「現時点での考え方を改めて通知してはどうか」と提案。また、個別品目ごとに、▽医薬品リスクの大きさ▽民族的要因の受けやすさ▽医薬品の医療上の必要性▽国際共同治験に参加しない場合の不利益-などを踏まえた「リスクベースの検討」に基づき判断する必要があるとの考えを示した。