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医療・介護ニュース

ヘルパンギーナ、首都圏で流行拡大-東京では警報基準を超える

2023年06月26日 15:30

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 「夏かぜ」の代表的な疾患で、高熱や口腔内の水疱などを伴うヘルパンギーナの流行が首都圏で広がっている。第24週(12-18日)の患者報告数は、東京などの4都県で軒並み増加し、警報基準値を超える保健所管内が続出している。東京では都内全体の患者報告数が警報基準値を超えており、都福祉保健局は「大きな流行」になっていると指摘。手洗いなど感染予防策の徹底を求めている。【新井哉】

 第24週の患者報告数は、東京都が前週比1.6倍の6.09人、千葉県が1.5倍の5.67人、神奈川県が1.7倍の5.15人、埼玉県が2.2倍の4.57人となっている。

 東京都では、都内31保健所管内のうち、八王子市(13.36人)、多摩小平(11.0人)、江戸川(9.0人)など12保健所管内で警報基準値(6.0人)を超過。千葉県でも、習志野(21.5人)や船橋市(9.2人)などの保健所管内で多い。

 神奈川県でも厚木保健福祉事務所(10.06人)などで警報基準を上回っている。埼玉県でも警報基準を上回る保健所管内が出てきており、感染症発生動向調査の週報(第24週)では「流行期の高い水準にある」と指摘している。

 ヘルパンギーナは、高熱や口腔内の水疱・発赤を主症状とするウイルス性疾患で、乳幼児が罹患するケースが多い。2-7日の潜伏期間後、38度以上の発熱や口腔内に水疱が現れる。

 2-4日で熱が下がり、7日程度で治癒する。熱や口腔内の痛みで食事や水分を十分に取れず、脱水になるほか、熱性けいれんや髄膜炎、心筋炎といった合併症を生じる可能性がある。患者のせきや、つばなどに含まれるウイルスによって感染する。

出典:医療介護CBニュース