2023年06月22日 13:26
直近3カ月に“マイナ保険証”で受診した人のうち、「メリットを実感した割合は4割強」だったという結果が、厚生労働省が実施したインターネット調査で分かった。21日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で結果が示され、委員からは、「約5割の人がなぜメリットを感じないのか分析して国民に開示することも必要だ」という声が上がった。【大月えり奈】
厚労省は、マイナンバーと一体化した健康保険証の利用状況に関する調査を、5月2日から15日まで実施した。直近3カ月に、マイナ保険証を利用して受診した人としなかった人を1,000人ずつ、合わせて2,000人に達するまで、年代条件も設定してスクリーニング(事前)調査を行った。
それによると、事前にアンケートを行った9,926人のうち、「マイナンバーカードを健康保険証と一体化しているか」という質問で「はい」と答えたのは6,105人と、全体の約6割だった。
スクリーニング後の2,000人を対象に行った調査では、「マイナ保険証を使うメリットを“知っている人”は約5割弱」だった。
内容(複数選択可)では、▽複数の医療機関で処方されている薬の重複や飲み合わせの問題が分かり処方を調整できる▽高額療養費の自己負担上限が窓口で分かり、後日払い戻しの手続きをする必要がない▽薬の情報に関する紙媒体を医療機関などに持参しなくてよい-が多かった。
分析では、薬の重複や飲み合わせの問題が分かる点をメリットに挙げた人は年代が高くなるほど増える傾向があり、また受診回数が多い人ほどメリットの認知度も高かった。
一方で、直近3カ月以内にマイナ保険証で受診したと答えた人への調査では、「メリットを“実感した”割合は4割強」だった。内訳は、問診票に記載する内容が少なくなり手間が減ったことや、薬の情報に関する紙媒体を持参しなくてよい、薬の重複や飲み合わせの問題が分かり調整できたことを挙げる人が多かった。
中医協総会ではこの結果について、委員からさまざまな意見が出された。
京都女子大データサイエンス学部の安川文朗教授は「4割強の人がメリットを感じているということは約5割の人はメリットを感じていない。国民のマイナンバーカードへの不安感が大きいことを考えると、どうしてメリットを感じないのかという深掘りをし、何らかの形で国民に開示することも必要だ」との考えを示した。
また、一橋大大学院経済学研究科の本田文子委員は「マイナ保険証を使っていない人の利用を促進するには何をしたらいいかという点を明らかにすることも必要。課題について丁寧な検証が重要だ」とした。その上で、今後は医療機関にも、診療上のメリットやデメリットに加え、運用上の課題を尋ねる質問項目もあると望ましいとの意見を述べた。
厚労省は、マイナンバーと一体化した健康保険証の利用状況に関する調査を、5月2日から15日まで実施した。直近3カ月に、マイナ保険証を利用して受診した人としなかった人を1,000人ずつ、合わせて2,000人に達するまで、年代条件も設定してスクリーニング(事前)調査を行った。
それによると、事前にアンケートを行った9,926人のうち、「マイナンバーカードを健康保険証と一体化しているか」という質問で「はい」と答えたのは6,105人と、全体の約6割だった。
スクリーニング後の2,000人を対象に行った調査では、「マイナ保険証を使うメリットを“知っている人”は約5割弱」だった。
内容(複数選択可)では、▽複数の医療機関で処方されている薬の重複や飲み合わせの問題が分かり処方を調整できる▽高額療養費の自己負担上限が窓口で分かり、後日払い戻しの手続きをする必要がない▽薬の情報に関する紙媒体を医療機関などに持参しなくてよい-が多かった。
分析では、薬の重複や飲み合わせの問題が分かる点をメリットに挙げた人は年代が高くなるほど増える傾向があり、また受診回数が多い人ほどメリットの認知度も高かった。
一方で、直近3カ月以内にマイナ保険証で受診したと答えた人への調査では、「メリットを“実感した”割合は4割強」だった。内訳は、問診票に記載する内容が少なくなり手間が減ったことや、薬の情報に関する紙媒体を持参しなくてよい、薬の重複や飲み合わせの問題が分かり調整できたことを挙げる人が多かった。
中医協総会ではこの結果について、委員からさまざまな意見が出された。
京都女子大データサイエンス学部の安川文朗教授は「4割強の人がメリットを感じているということは約5割の人はメリットを感じていない。国民のマイナンバーカードへの不安感が大きいことを考えると、どうしてメリットを感じないのかという深掘りをし、何らかの形で国民に開示することも必要だ」との考えを示した。
また、一橋大大学院経済学研究科の本田文子委員は「マイナ保険証を使っていない人の利用を促進するには何をしたらいいかという点を明らかにすることも必要。課題について丁寧な検証が重要だ」とした。その上で、今後は医療機関にも、診療上のメリットやデメリットに加え、運用上の課題を尋ねる質問項目もあると望ましいとの意見を述べた。