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医療・介護ニュース

社会福祉施設での労災発生状況が高止まり-5年で46%増、労働者の高齢化で「転倒」増加

2023年05月26日 14:20

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 社会福祉施設での労働災害の死傷者数が高止まりにある。厚生労働省が公表した2022年の労働災害発生状況によると、5年前と比べて約1.5倍となっている。事故の内訳では「転倒」が全体の3割以上を占めており、厚労省は、労働者の高齢化、特に中高年齢の女性が増加したことがあると分析している。【大月えり奈】

 22年に全国で発生した労働災害状況によると、社会福祉施設で発生した休業4日以上の死傷者数は1万2,780人。前年に比べると0.13%減少したが、5年前の2017年と比べると46.3%の増加となった。 事故の内訳では「動作の反動・無理な動作」が最も多く、全体の35.0%を占め、年齢を問わずに増加していた。次いで「転倒」(34.3%)が多かったが、その主な要因として「労働力の高齢化」を挙げている。

 厚労省労働基準局安全衛生部安全課は、事故が増えた背景について「介護の補助で無理な動作をして腰痛などになるケースは年齢を問わずみられる。また50代以上の女性の働き手が増えたことで転倒事故が増加している」と述べている。

出典:医療介護CBニュース