2023年05月24日 20:40
全国自治体病院協議会(全自病)の小熊豊会長は24日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染患者に対応した医療機関への国による財政支援を10月以降も継続して行うよう求めた。新型コロナの「5類」への移行後も求められる院内感染対策などに費用が掛かるためで、全自病では4月中旬にこうした内容を盛り込んだ要望書を厚生労働省に提出していたが、今回改めて求めた。【松村秀士】
会見で小熊会長は、院内で新型コロナの患者と一般患者を区別したり、新型コロナの患者を1つの病棟でゾーニングを行ったりするなど、医療機関は「5類」移行後も通常の医療とは違った対応が必要で、それには費用が掛かると説明。
その上で、「少なくとも感染患者をしっかりと診られるだけの支援をしていただきたい」と述べた。全自病が求めているのは、新型コロナの患者用の病床を確保した医療機関に支払う従来の「病床確保料」ではなく、新型コロナの患者への診療の実績に基づく支援だ。
同席した竹中賢治副会長も、新型コロナに対応した医療機関への10月以降の財政支援策を国が明確に打ち出すべきだと強調した。
新型コロナの「5類」への切り替えに伴い、政府は病床確保料の上限額をほぼ半分に減らした。9月末までを目途とした措置で、それ以降の対応は入院調整の進み具合などを踏まえて判断する方針。