2023年05月10日 19:10
物価が高騰する中、賃上げに対応するには十分な原資が必要だ-。日本医師会など医療系の3団体は、2023年度中の緊急的な財政措置や24年度のトリプル改定での対応を政府に要望する声明を出した。【大月えり奈】
声明では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻による急激な物価が高騰する中、公定価格で運営される医療機関ではコストの負担を価格に転嫁することができず、岸田首相が掲げる「インフレ率を超える賃上げの実現」には十分な原資が確保できないとしている。
また多くの介護施設においてもコロナ禍により経営上の収支が悪化し、もともと不足している介護従事者が比較的賃金の高いほかの産業に流出し、施設の維持に支障を来す状況だとしている。
日本医師会と日本歯科医師会、それに日本薬剤師会の3団体(三師会)は、こうした状況を踏まえ、年度中に補助金や助成金による緊急的な財政措置を行ったり、24年度に行われるトリプル改定で物価高騰と賃上げへの対応を骨太方針に記載したりするなど、政府に何らかの財政措置を行うことを強く求めた。