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医療・介護ニュース

地域における看護実践、早期からの学修検討を-文科省が検討会に「第一次報告」案を提示

2019年10月04日 22:05

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 文部科学省は4日、「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」(座長=高田邦昭・群馬県立県民健康科学大学長)の会合で、「第一次報告」の案を示した。医療の高度化や地域包括ケアの推進などで、これまで以上に高い実践力が必要とされていることを踏まえ、「各看護系大学においては、在宅領域を含む地域における看護実践に関する教育内容として、早期からの学修、科目内容の充実等を検討することが早急に求められている」としている。【新井哉】

 厚生労働省が9月30日に示した看護基礎教育検討会の報告書案では、看護師教育の総単位数を97単位から102単位に充実させることなどが盛り込まれている。文科省の「第一次報告」の案では、指定規則に係る教育内容や単位数の改正案が提示されたことに触れ、「今回の改正の趣旨を踏まえ、さらに教育課程の充実を図っていくことが求められる」と指摘。看護系大学において、2022年度の入学生から新カリキュラムに適応できるよう確実に準備を進める必要性を挙げている。

 また、看護系大学では「効果的かつ効率的な独自の体系化された教育課程を自ら編成していくことが必要である」と明記。高い実践力を修得していくためには「臨床判断力(臨床推論力)の修得が必須であり、現行の科目内容の工夫だけでなく、新規科目の可能性も検討することが必要である」といった見解を示している。

 臨地実習科目については、「文部科学省では、看護コアカリの項目F『臨地実習』にて、臨地実習の学修目標を示してきているが、教育方法や実習科目の体制づくりまでに踏み込んだ内容ではない」と指摘。「質を保証しかつ充実に向けた検討が早急に必要と考える」としている。次回の会合で報告案の取りまとめに入る見通し。

出典:医療介護CBニュース