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医療・介護ニュース

手遅れ死亡事例22年に46件、民医連-60歳以上が8割超

2023年04月05日 20:15

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 全日本民主医療機関連合会(民医連)は、国民健康保険料の滞納など経済的な理由で医療機関を受診するのが遅れ、患者が亡くなった事例が2022年1-12月に23都道県で合わせて46件あったとする調査結果を発表した。【兼松昭夫】

 民医連では、困窮者の「無保険」は、医療を諦めさせてセーフティーネットから切り離すとして、無保険者を作らせない抜本的な対策の必要性を訴えている。

  調査は、民医連に加盟する全国の病院・診療所・歯科診療所計703カ所を対象に実施。

 国民健康保険料の滞納などで無保険になったり「資格証明書」や「短期保険証」を交付されたりして病状が悪化し、亡くなったと考えられる事例▽正規の保険証があるものの、経済的な理由で受診が遅れて亡くなったと考えられる事例-をカウントした。

 その結果、22年1-12月にはそうした事例が23都道県に計46件あった。

 46件の性別の内訳は、男性31件(67%)、女性15件(33%)。年代別では「60歳代」が19件(41%)で最も多く、「70歳代」11件(24%)、「50歳代」7件(15%)が続いた。60歳以上が全体の8割超を占めている。

 死因別では、「がん」の32件(70%)が最多だった。「がん以外」は9件(20%)で、コロナ禍の影響で手遅れになったと考えられるケースが4件(9%)あった。

出典:医療介護CBニュース