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医療・介護ニュース

細菌の薬剤耐性化原因の新たな因子・発現機構発見-筑波大が研究グループの成果発表

2023年03月30日 14:15

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 国立大学法人筑波大学は27日、同大医学医療系の尾花望助教らの研究グループが、細菌の薬剤耐性化の原因となる新たな因子とその発現メカニズムを発見したと発表した。【新井哉】

 多くの細菌は、幅広い抗菌薬に対する耐性(ARE)に関係するタンパク質(ARE-ABCF)を有しており、このタンパク質が院内感染の原因となることが知られている。しかし、ARE-ABCF遺伝子については、生物ごとにさまざまな遺伝子配列があり、その多様性は十分解明されていなかった。

 研究グループは、抗菌薬の投与でディフィシル菌が増殖して生じる常在腸内細菌叢の乱れが原因で発症するディフィシル感染症に着目。ゲノム情報を駆使したバイオインフォマティクスにより、ARE-ABCF遺伝子が、ディフィシル菌を含むクロストリジア綱の細菌(腸内常在細菌)の染色体に幅広く保存されていることを明らかにした。ディフィシル菌が有するARE-ABCF遺伝子には、リンコサミド系とプレウロムチリン系の抗菌薬に対する耐性を付与する役割があることも見い出した。

 今回の研究では、ARE-ABCFのcplR遺伝子がディフィシル菌の抗菌薬耐性を上昇させることや、抗菌薬に応答してcplR遺伝子の発現が調節されているメカニズムを明らかにしており、これらの知見は、ディフィシル感染症の新しい治療法の開発への応用が期待されるという。

出典:医療介護CBニュース