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医療・介護ニュース

がんの10年生存率53.3%、国がん-「ネット・サバイバル」で初めて集計

2023年03月16日 15:25

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 国立がん研究センターは16日、2010年にがんと診断された人の10年生存率が53.3%だったとする集計結果を公表した。主な種類別では「甲状腺乳頭濾胞がん」91.0%、「前立腺がん」84.3%、「女性乳がん」83.1%で8割を超えたのに対し、「膵臓がん」5.4%や「小細胞肺がん」5.8%で低かった。【兼松昭夫】

 集計は、がん診療連携拠点病院など全国の316病院で登録された患者34万1,335人の「院内がん登録」のデータが対象。

 国立がん研究センターは今回、がんのみが死因となる場合の生存率自体を推定できる「ネット・サバイバル」という方法を初めて使い、集計を行った。

 この方法だと、従来の「相対生存率」よりも値が低くなる傾向があるという。がんのみの影響で亡くなる人の割合をより正確に推計できるためで、近年、国際的に広く使われている。

 国立がん研究センター・院内がん登録分析室の石井太祐氏によると、高齢な患者が多いがんでは、相対生存率とネット・サバイバルの差が大きくなりやすく、予後が短いがんやステージでは差が出にくい。

 例えば「胃がん」の10年生存率をステージ別に見ると、「ステージI」ではネット・サバイバルが77.7%、相対生存率が90.6%なのに対し、「ステージIV」はネット・サバイバル6.0%、相対生存率6.8%。全症例ではネット・サバイバル57.6%、相対生存率67.1%だった。

■全がんの5年生存率66.2%

 一方、14-15年に447病院でがんと診断された94万2,717人の5年生存率(ネット・サバイバル)は、全てのがんで66.2%だった。性別では男性62.8%、女性70.8%と、女性の方が少し高い傾向にある。

 主な種類別では、「甲状腺乳頭濾胞がん」96.4%、「前立腺がん」95.1%、「女性乳がん」91.6%などで高く、「小細胞肺がん」11.5%、「膵臓がん」12.7%などで低かった。

出典:医療介護CBニュース