2023年03月09日 20:50
厚生労働省主催の依存症への理解を深めるためのイベントが8日に東京都内で開かれ、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)精神保健研究所薬物依存研究部の松本俊彦部長が出演した。依存症について、松本部長は「どんな人でもなり得る病気」としながらも、「なったとしても、そこから回復できる」と訴えた。【新井哉】
イベントでは、仕事を辞めて毎日を家事と子育てに費やす中で、アルコール依存症となった30歳代女性のケースを取り上げた。子育ての疲れと日々のストレスを晴らす気持ちで飲酒したところ、これまで抱えてきた孤独で取り残された気分を忘れることができた。その後、酒量が少しずつ増え、育児をしながらの飲酒に罪悪感を持ちながらも、お酒を手放すことができなかったという。
このエピソードについて、松本部長は、アルコールなどが脳の「報酬系」という回路に働くことに触れ、最初は飲んで気持ちがいいなと思っているが「他の快感よりも強いので、だんだんとそちらを求めるようになり、他のご褒美では反応しなくなってくる」と指摘。量を増やさないと反応しなくなってくるので「気付くとどんどん量が増えていってしまう」と説明した。
また、「報酬系」に働くと「しんどい気持ちが薄らいだり、楽になったりする」とし、症状が進むと「いつも頭の中心にお酒のことがあって、お酒中心の人生になる」などと解説。当事者や家族の相談先として、都道府県・指定都市にある精神保健福祉センターを挙げ、地域の専門医療機関や、当事者や家族が支え合う自助グループを教えてもらう重要性を強調した。
イベントでは、仕事を辞めて毎日を家事と子育てに費やす中で、アルコール依存症となった30歳代女性のケースを取り上げた。子育ての疲れと日々のストレスを晴らす気持ちで飲酒したところ、これまで抱えてきた孤独で取り残された気分を忘れることができた。その後、酒量が少しずつ増え、育児をしながらの飲酒に罪悪感を持ちながらも、お酒を手放すことができなかったという。
このエピソードについて、松本部長は、アルコールなどが脳の「報酬系」という回路に働くことに触れ、最初は飲んで気持ちがいいなと思っているが「他の快感よりも強いので、だんだんとそちらを求めるようになり、他のご褒美では反応しなくなってくる」と指摘。量を増やさないと反応しなくなってくるので「気付くとどんどん量が増えていってしまう」と説明した。
また、「報酬系」に働くと「しんどい気持ちが薄らいだり、楽になったりする」とし、症状が進むと「いつも頭の中心にお酒のことがあって、お酒中心の人生になる」などと解説。当事者や家族の相談先として、都道府県・指定都市にある精神保健福祉センターを挙げ、地域の専門医療機関や、当事者や家族が支え合う自助グループを教えてもらう重要性を強調した。