2023年02月28日 05:05
医療分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進で、「全国医療情報プラットフォーム」の創設など3本柱の具体化を担当する厚生労働省医政局の田中彰子参事官がCBニュースの取材に応じ、私見とした上で、医療のビッグデータを使って医療機関の外来などの業務を標準化させるべきだという認識を示した。不要な検査を解消して医療費の増加を抑えたり、医師の業務負担を和らげたりするため。【兼松昭夫】
田中参事官はその上で、病院や診療所が提出するよりも、データが自然に集まる仕組みを作る必要があるという認識を示した。
岸田政権が掲げる医療DXは、全国医療情報プラットフォームの創設のほか、▽電子カルテ情報の標準化▽診療報酬改定DX-が柱。
それらをいつまでに実現させるかの具体的な目標はまだなく、政府の「医療DX推進本部」が春ごろ工程表を示すことになっている。田中参事官は「国の政策はこれからかなりのスピードで進むはず」だと述べた。
電子カルテの情報の標準化では、データの「標準規格」を拡大し、製品を提供するベンダーごとに異なる規格の統一を目指す。実現すれば、電子カルテのベンダーをまたいで情報連携を進めやすくなる。
診療や情報共有に必要な最低限の機能を搭載し、データの標準規格を採用したクラウド型の「標準型電子カルテシステム」も開発する。導入コストを抑え、診療所など小規模な医療機関の導入を促す。
従来の電子カルテシステムは、診療報酬の改定などがあるたびに改修しなくてはならない。クラウド型の標準型電子カルテシステムでは、国のデータベースにアクセスすれば特別な対応が不要になる要素を増やす。それによって、医療機関が負担する運用コストや手間を大幅に抑えられる可能性があるという。
一方、全国医療情報プラットフォームの創設は、レセプトのほか、これまで困難だった電子カルテなどのデータを全国の医療機関で共有・交換できるようにする。
田中参事官によると、医療機関が患者に提供した医療の内容だけでなく、医療の「結果」や病気の経過などの情報でも共有・交換を促す。それによって、新しい治療法の開発などに活用できる環境の整備を目指す。
田中参事官は、医療DXで集まるビッグデータを使い医療機関の業務の標準化を進める必要性にも言及した。
急性期の入院医療の領域では、DPCが2003年に導入されるとプロセスのばらつきの「見える化」と標準化が進んだが、外来などの業務では医療機関によるばらつきの大きさが指摘されている。
田中参事官は、急性期の入院以外の業務について、標準化を「個人的には進めるべきだと思う」という認識を示し、「医療機関の業務プロセスと診療のプロセスの標準化が進めば医療の質改善も見込める」と述べた。
「DPCは、診療報酬で評価することで急性期医療のデータ提出を促す仕組みだが、医療DXでは、病院や診療所に提出していただくよりも、自然とデータが集まる仕組みが必要ではないか」とも述べた。
田中参事官はその上で、病院や診療所が提出するよりも、データが自然に集まる仕組みを作る必要があるという認識を示した。
岸田政権が掲げる医療DXは、全国医療情報プラットフォームの創設のほか、▽電子カルテ情報の標準化▽診療報酬改定DX-が柱。
それらをいつまでに実現させるかの具体的な目標はまだなく、政府の「医療DX推進本部」が春ごろ工程表を示すことになっている。田中参事官は「国の政策はこれからかなりのスピードで進むはず」だと述べた。
電子カルテの情報の標準化では、データの「標準規格」を拡大し、製品を提供するベンダーごとに異なる規格の統一を目指す。実現すれば、電子カルテのベンダーをまたいで情報連携を進めやすくなる。
診療や情報共有に必要な最低限の機能を搭載し、データの標準規格を採用したクラウド型の「標準型電子カルテシステム」も開発する。導入コストを抑え、診療所など小規模な医療機関の導入を促す。
従来の電子カルテシステムは、診療報酬の改定などがあるたびに改修しなくてはならない。クラウド型の標準型電子カルテシステムでは、国のデータベースにアクセスすれば特別な対応が不要になる要素を増やす。それによって、医療機関が負担する運用コストや手間を大幅に抑えられる可能性があるという。
一方、全国医療情報プラットフォームの創設は、レセプトのほか、これまで困難だった電子カルテなどのデータを全国の医療機関で共有・交換できるようにする。
田中参事官によると、医療機関が患者に提供した医療の内容だけでなく、医療の「結果」や病気の経過などの情報でも共有・交換を促す。それによって、新しい治療法の開発などに活用できる環境の整備を目指す。
田中参事官は、医療DXで集まるビッグデータを使い医療機関の業務の標準化を進める必要性にも言及した。
急性期の入院医療の領域では、DPCが2003年に導入されるとプロセスのばらつきの「見える化」と標準化が進んだが、外来などの業務では医療機関によるばらつきの大きさが指摘されている。
田中参事官は、急性期の入院以外の業務について、標準化を「個人的には進めるべきだと思う」という認識を示し、「医療機関の業務プロセスと診療のプロセスの標準化が進めば医療の質改善も見込める」と述べた。
「DPCは、診療報酬で評価することで急性期医療のデータ提出を促す仕組みだが、医療DXでは、病院や診療所に提出していただくよりも、自然とデータが集まる仕組みが必要ではないか」とも述べた。